フェラーリが高騰する理由|歴史的背景とこれから値上がりするかもしれない注目モデルを紹介!

フェラーリが高騰する理由|歴史的背景とこれから値上がりするかもしれない注目モデルを紹介!
はっしー
ガレージライフ運営者の「はっしー」です。週末は「八ヶ岳」で過ごしています。八ヶ岳の魅力や楽しみ方、耳より情報を発信します。

通常、モノの価格は需要と供給で決まります。車も同じです。フェラーリのようなスーパーカーも同じです。そして一般的にはモノは発売から時間が経てば陳腐化し新しい製品に性能で負けて需要が下がっていきます。例えば新しい車には自動運転技術がついたり燃費が改善されたりして古い車にはない魅力が加わって、需要は 新しい車>古い車となるのが一般的ですね。

例外的に一部のクラシックカーは新車価格を超えて値上がりを続けています。中でもクラシックフェラーリの価格高騰は群を抜いています。

275GTB/4で3億!最も高く売買されたクラシックフェラーリは250GTOで76億円です。美しい車ですね!ツールドフランスで優勝し55年間無事故であったことが評価されたそうですが、それにしてもとんでもない価格ですね!

年々値上がりするフェラーリについて、高額になる理由、注目の車種、クラシックフェラーリを購入する際の注意点など詳しく紹介します。

フェラーリの歴史

まずは、フェラーリという会社の歴史を簡単に紹介します。

フェラーリ前史

フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリは、イタリア半島のモデナ郊外で1898年2月18日に生誕し、1920年にアルファロメオのテストドライバーとなり、後にレーシングドライバーとして活躍しました。

その後アルファロメオのディーラー「カロッツェリア・エミリア・エンツォ・フェラーリ」の経営を始めます。そのエンツォが1929年にレース仲間と共に富裕層の自動車愛好家向けに設立したアルファロメオのディーラーチームのソシエタ・アノニーマ・スクーデリア・フェラーリを作り、アルファ・コルセに吸収合併されます。

その後エンツォはアルファの経営陣と対立し袂を別つことになりますがフェラーリ前史はアルファロメオと深い縁がありました。後に1951年のイギリスGPでエンツォの率いるスクーデリア・フェラーリが、それまで負け知らずだったアルファロメオに勝利した時の「私は母親を殺してしまった」という有名なコメントがありますが、それはエンツォのキャリアの原点はアルファロメオにあったからこそ出たセリフだったんですね。

フェラーリ設立

エンツォは戦中は兵器製造のための粉砕機などの工作機械製造を行っていました1947年にモデナにフェラーリの名を冠したメーカーを設立します。最初に作った車は125Sというレーシングカー3台のみでしたが。同年に開催されたローマグランプリで優勝しフェラーリの名を一躍有名にしました。その後、ミッレミリアやル・マン24時間レースでも勝ち続けフェラーリは不動の地位を築いていきます。

エンツォはレースだけでなく商業的にも成功します。旧型のレーシングカーをデチューンし快適装備をつけた車を販売しました。レースで勝った本物のレーシングカーが買えるということがウケてモータースポーツ好きの貴族などがこぞってフェラーリの車を買うようになりました。一方でエンツォにとってはフェラーリはレースのための会社で市販車は二の次でした。売るために必要な豪華な内装や快適装備、居住性に手を抜くことはありませんでしたが、それらを求める顧客たちをエンツォは軽蔑すらしていたと言われています。

 

フィアットの傘下へ

フェラーリは市販車の販売を拡大していきますが、生産体制の成長が追いつかず品質低下や高コスト体質に悩まされていました。その一方でレースへの投資が増加しフェラーリの経営をさらに圧迫します。追い討ちをかけるようにエンツォの身内の不幸から端を発したお家騒動、幹部の大量離脱、労働争議など社内の状況も悪化の一途を辿っていました。

そこでエンツォはスポンサー探しを始めます。フォード、フィアットが候補でしたが、交渉の結果フィアットの出資を受け入れることになります。フェラーリとフィアットの提携はF2用のホモロゲーションを取るためV6エンジンの共有から始まりました。エンツォの長男のアルフレードが設計したものでフェラーリのDINO206/246シリーズやフィアットディーノ・クーペ、スパイダー、ランチアストラトスにも搭載された名機です。フィアットとの提携を機にエンツォは興味の薄かった市販車部門から手を引きレース部門に集中していきます。開発から経理に至るまで数多くの部門にフィアットからの人材を受け入れ、経営の安定化と先進技術の取り込みを図りました。

1969年にフェラーリはフィアット傘下となり、年間数百台規模の生産台数から、年間2万台の生産量が可能な自動車メーカーに成長することができたのです。2021年現在ではフェラーリはフィアットグループ(当時はのFCA)から独立しています。2015年にNY市場に上場を果たし2016年にFCAから分離独立が完了します。一方で経営陣の人材交流やFCA傘下のマセラティ、アルファロメオのエンジン生産をフェラーリが請負うなど関係性は断たれたわけではありません。

フェラーリの初めての車とは

フェラーリの名を冠する最初の車は125Sです。1気筒あたり125ccのV12SOHCで1497ccの車でした。後にコロンボエンジンを産んだジョアッキーノ・コロンボの設計でした。

その年のローマグランプリ、ミッレミリアとル・マンに勝ちレースで強いフェラーリの礎となった車であることは前述の通りです。

生産台数は僅か3台のみで、すがその3台とも後に166に再利用されたため125Sのオリジナルは現存せずフェラーリ美術館等で展示されているのは当時の図面から起こされたレプリカです。

市販車としてのフェラーリ

フェラーリは、1949年のミッレミリアとル・マン24時間のレースで勝利し、この後もF1をはじめ、数多くのレースで活躍しています。フェラーリの市販車は、もともとレーシングカーの型落ちモデルに快適装備を加えて販売したものでしたから多少のモディファイで各種レースへの参加が可能になっているものの、やはりレーシングカーとは別物です。前述の通り貴族など富裕層の期待は純粋な速さではなく居住性や乗り心地も併せ持つ必要がありました。

それでも乗用車ではないため運転には技術が必要で誰でも乗れる車というわけではありませんでした。例えばマニュアルのシフトレバーはゲート式で確実な変速操作が要求されることや、重いクラッチなどです。

1997年にはF355にセミオートマチックの「F1マチック」が搭載されクラッチ操作が自動化されましたしF355はパワステもつきました。初期F1マチックのギアチェンジの速度はお世辞にも速いとは言えませんでしたし、耐久性、整備性に難ありでしたが、普通の人が乗れる車に徐々に移行していきます。599、612、458以降からはMTが廃止されF1のみの設定となります。普通の人が乗れるようにという目的よりは高出力すぎるエンジンを人間が扱えなくなってきたのが本当の理由だと思います。運転は簡単になりましたが、乗りこなす楽しみは減じてきているような気がします。しかし強烈な加速やコーナリング速度など新たな魅力を得て市販車フェラーリは変容しつつ進化を続けています。

市販車フェラーリの歴史

フェラーリ初の市販車は1,955ccのV型12気筒エンジンを積んだ166SC(スパイダーコルサ)で1947年に166Sをベースに9台が作られました。その後166系ロードカーは、166MM(ミッレ・ミリア)や166Interといったバリエーションが製作されました。

初期のフェラーリ市販車はV12エンジンモデルしか無く、12気筒エンジン以外はフェラーリとは呼ばないのだというエンツォの発言もあったようですが、レースにおいては4気筒や2気筒など様々なエンジンを試しており、エンツォ流のマーケティングのためのコメントだったのではないでしょうか。

1940年代のフェラーリ市販車は一台一台顧客のオーダーに基づいてオーダーメイドの服の様に制作されていたため、それぞれの個体で少しづつ仕様が異なります。フェラーリが本当の量産に乗り出したのは1953年の250ヨーロッパからです。250は有名なGTOをはじめレースでも多くの成功を収めましたが、市販車としても成功し、たくさんのバリエーションが作られ250シリーズは1964年まで生産されるロングセラーとなりました。その後275、365GTB/4デイトナまではFRのV12がロードカーの基本でした。一方で、振興スポーツカーメーカーのデトマソや、ライバルのランボルギーニなどはミッドシップの車を発売し大成功を収めていました。

フェラーリもレースカーでは僕の大好きな250LMなどミッドシップの車を作っていましたし、ミッドシップで得られる後輪のトラクションや回頭性などのメリットも理解をしていました。一方でエンツォは市販車に対して、キャビンの広さや、快適性能を必ず求めてきました。しかしミッドシップでは乗員の真後ろにエンジンやトランスミッションを置く以上、キャビンは前に押し出され前輪のタイヤハウスの間に乗員の足が来るような状態になるため、エンツォの要求とは両立しがたいものでした。でも、広いキャビンや快適性能はフェラーリの顧客が望むものであることは間違いありません。ライバルたちは60度Vの横置きエンジンと横置きトランスミッションなどでエンジンとトランスミッションの長さを最小化したり、カウンタックに至っては、トランスミッションをキャビン内に入れてしまうなどあの手この手で回避を図りました。このあたりの歴史的経緯はぜひこちらをご覧ください。

フェラーリもミッドシップ市販車の第一号としてDino206の開発を進めます。横置きエンジン、横置きミッションでキャビンも広くトランクもあります!まさにエンツォが求めるフェラーリの市販車でした。Dino 206.jpgしかしV6の2リッター、2.4リッターエンジンの小型スポーツカーの位置づけでしたので、ほかのスーパーカーとは商品の位置づけが異なります。

12気筒モデルのミドシップ版が登場するのは1973年の365GT/4BBです。ライバルからかなり遅れての登場となりましたが美しいデザインと、当時F1で勝ちまくっていた180度V型エンジン搭載という点がうけ大ヒットモデルとなります。キャビンを大きくとるための苦肉の策として取られた180度Vのシリンダーの下にミッションを縦置きするといういわゆる二階建て方式のせいで重いエンジンがクランクセンターで地上から588㎜にあり車のロールセンターよりも高い位置にあり、横に長いエンジンのせいでサスペンションのアッパーアームの長さが取れずサスペンション設計の自由度を失ってしまいます。そんな欠点を抱えていることは上記のスーパーカー誕生や、福野礼一郎さんの幻のスーパーカーに詳細に描かれているのですがこの圧倒的な美しさに人々は魅了され365BB、512BB、512BBiと続く大ヒットシリーズになります。

その後テスタロッサや512TR,512Mとミッドシップ12気筒の歴史は続きますがネガを抑えるには長い年月がかかりました。その後は12気筒はFRに回帰していきます。

テスタロッサは美しいですね。真っすぐ走らないとか様々なネガはあるものの、高速道路を驀進するテスタロッサの音は素晴らしいの一言です。

他方、Dino206から始まったピッコロフェラーリはミッドシップを貫き続けます。308GTBから始まったV8フェラーリは大ヒットを飛ばし、パワーアップ版の328まででフェラーリの生産台数は飛躍的に伸びていきます。Ferrari 308 Heck.jpgこの写真はUS版の308ですがこの後ろ姿が美しいですね。ミッドシップのトンネルバックスタイルはフェラーリの代名詞となっていきます。僕にとってフェラーリとはミッドシップという気がします。きっとそんな方が多いのではないでしょうか?

フェラーリの年間生産台数はDinoやデイトナを作っていた1970年で928台ですが328を作っていた1989年には3821台と4倍に増加しました。その後90年初めに減少するものの2017年には8千台を超える規模になっています。フェラーリも普通の車メーカーになった気がしてしまいますね。

クラシックカー市場の変動

クラシックカー市場の変動
画像引用元:写真AC

クラシックカー市場が大きく伸び始めたのは2000年初頭です。下の画像はF40の価格の推移です。4本折れ線グラフがあるのは車の程度により価格が違うからですショーモデル級が一番上、普通が三番目の線です。これを見ると2006年ごろは50万ドル(6千万円)くらいだったあと、2008年リーマンショック直後はやや下落していますが、その後は右肩上がりで2016年には100万ドルを超え、コロナショックでも下がっていないという驚異的な価格の推移が見て取れます。

株が高値圏になったころにお金を余らせた投資家はオルタナティブな投資先を探し始めます。原油や新興国株やいろいろなものに投資資金が回りますが、いつもそういう時に上がるのは美術品、アンティークコイン、クラシックカーなのです。アフターコロナの株高で日経平均は3万円を付け、Nasdaq、Dowは最高値を更新中です。そのお金が次に流れてくるのはクラシックカーかもしれませんね。F40 Ferrari 20090509.jpg

F40の新車価格は4650万円でしたからもう倍以上になっています。ずっと維持するのにお金をかけてきているとはいえ、フェラーリは財産になってくれるかもしれない(燃えちゃうかもしれませんが。。。)というところが面白い。

次はなぜフェラーリは古くなるとここまで高額になるのかという点についてみていきましょう

古いフェラーリが高額になる3つの理由

フェラーリが高額な4つの理由
画像引用元:フェラーリ 812スーパーファスト

フェラーリがなぜ高額なのか、そして中古車が新車価格を上回る価格で取引されているのか、その理由を紹介します。

創業者エンツォ・フェラーリの教え

創業者エンツォ・フェラーリは「顧客が求める数より1台少なく作れ」という考えをもっていました。需要と供給により価格が決まるということをよく理解していたんですね。もちろん商品に魅力がなくては需要は生まれません。フェラーリにとって需要を作る方法の一つはレースで勝つことでした。レースで勝った早い車が欲しいというのは車好きにとっては当たり前ですよね!僕もA110を持っていますが、WRCでの活躍があったからこそA110の存在を知りあこがれて買いました!

もちろんレースカーをそのまま売るわけにはいきません。フェラーリの顧客たちは貴族やお金持ちです。逆にフェラーリは大量生産する技術はありませんから高額な商品を少量うるビジネスしかできませんから、そんな車を買えるのはお金持ちだけです。お金持ちはわがままですからレースカーの様に速くても、キャビンが広く、エアコンが効いて乗り心地のいい車を求めます。エンツォは前述の通りそれを承知しており、性能を犠牲にしてすらそういう車を作りました。エンツォは天才的なマーケターで顧客をよくわかっていたんです。レースの為に会社を作ったくらいの人ですから、安楽な車を求める市販車ユーザーを蔑み、市販車ビジネスが嫌いだったというのはよくわかりますね。それで稼いでいたのでいたのですが。。。

「顧客が求める数より1台少なく作れ」という教えがフェラーリのビジネスに反映されている具体的な例はスペチアーレと呼ばれる限定モデルの販売方法にあります。前述のF40や、F50、エンツォフェラーリ、ラフェラーリ、最近ではモンツァSP1などがそれにあたります。

スペチアーレはお金があれば買える車ではありません。まず顧客を選定します。選定の条件は過去に来入した新車の台数、クラシックカーを含めたフェラーリを保有しているか、過去2年以内に新車をオーダーしているかなどです。その選ばれた顧客に手紙を出します。「こんな車を出すけどあなたは買いますか?」という手紙です。その手紙は1号車が完成する前に価格や生産台数が決まる前に送られ、買いたいという返答があった数よりも少ない台数を生産台数として、販売する顧客はは公正に抽選で決めます。絶対多めには作らないのです!そもそもスペチアーレの案内の手紙が来る人は超お金持ちのフェラーリファンです。それで必ず抽選にするわけですから、抽選に外れた人は必ずほしいと思いますよね?そもそも手紙がもらえない人も欲しいですよね?(買えるかは別として。。。)当然スペチアーレモデルが中古市場に出てきたら、とんでもない高額な値段で買われていきます。(そもそもフェラーリファンしか買えないので、なかなか市場には出ません!)

なぜそこまでするのか?ここからは想像ですが、企業としての成長の為だともいます。フェラーリは大量に車を売れません。買える顧客が限られるからです。であれば企業として利益成長するには一台当たりの単価を上げていく他ありません。328まではV8が大体1300万円くらいで、V12が2千万くらいのイメージでしたが、フェラーリの値段は90年代から急激に上がってきています。新車価格は、F355が1570万円~、360モデナは1786万円~、430が2079万円~、458が2830万円~、488が4036万円~と328の時代から考えると3倍くらいになってきています。新しい車が高くても許されるのは過去の車より魅力的であることもありますが、スペチアーレが欲しいフェラーリファンは必ず買うのです!値段が上がろうとも!スペチアーレの手紙をもらうには過去2年以内に新車をオーダーした実績が必要ですからね。

スペチアーレの価格上昇はクラシックカーの価格高騰にもつながります。スペチアーレ以外のフェラーリも少量生産のせいで、現存する数はそもそも少ないです。ラフェラーリは499台販売されましたが、365BBは387台しか販売されていません。通常モデルですらスペチアーレと同じくらいに数が少ないんです!スペチアーレの価格が上がるのであればそれと同時代の通状モデルの価値も見直され価格は上がっていきます。加えて、世界的な富裕層の増加に伴い、生産台数が増加しておりフェラーリファンは増え続けますが、程度の良いクラシックカーの台数は減る一方です。必然的に需要が供給が上回る状態となり、価格は上がるというわけです。

フェラーリ・クラシケ

クラシックカーの取引価格が高騰すると、偽物を作って利益を得ようという輩が現れるようになります。正規のパーツを使い、車体番号を偽造して同じ車が2台存在するように見せかけるような例もあります。またコレクターがクラシックカーをレストアしたいという要望が高まったこともあり始まったのが「フェラーリ・クラシケ」です。

クラシケとは、イタリア語でクラシックを意味しており、フェラーリ社がその個体がオリジナルの状態を維持したホンモノであることを証明します。ケーニッヒ、ザガートなどのチューナーにより手を加えられた個体についてもそれ自体がオリジナルであるならば特別に真贋鑑定書を発行してくれます。

クラシケを取得するためにはフェラーリの標準のパーツに交換しなければいけないので、過去の改造個所や、他社パーツの流用は改められます。フェラーリの箱に入るだけでパーツの値段は上がりますから、改造されている車でクラシケを取るのはなかなか大変です。その代わりにクラシケを取得した車は通常よりも高い価格で取引されます。

これはフェラーリにとって非常にうまいビジネスです。フェラーリのパーツを買わせることができることもそうですが、クラシックカーの品質をフェラーリ自身が高めることができるようになりました。さらに部品価格を高くコントロールすることにより、コストアップ要因からクラシックカーの市場価格を高く誘導することができます。例えばレストアに2千万かかった車を500万では売りませんよね?レストア費用が高額になればなるほどクラシックカーの値段は上がるのです。これはフェラーリにとっていいことです。古いフェラーリの価格が高く維持できればフェラーリはリセールが高いというイメージがつき、高い価格の新車も売れるのです!

リセールが良ければ高い残価設定ローンを組むことができます。フェラーリの場合は3年のローンで残価が75%になるそうです。25%分しか返さなくていいのです!安い!4千万の車でも1千万だけローンを払えば3年は乗れるのです。これがフェラーリの新車価格が上がっても売れてきた理由の一つです。

クラシケは発売から20年以降経った車が対象ですが、古い車の価値を大事にすることで新車の価格を維持する事にもつながるという、非常に壮大で目線の高いビジネスをしているのがフェラーリなのです。本当に尊敬すべき頭のいい会社だとおっもいます。

オークションハウスの台頭

オークションを利用したクラシックカーの取引が近年増加しており、オークションハウスはクラシックカーの相場を作っています。

カーコレクションを持つオーナーが無くなれば、コレクションを抱え困っている遺族たちから遺産である車を預かったり、漠然とした情報を頼りに隠されていた車とそのオーナーを探して、オークションへの出品を勧めたりもしています。また預かった車を必要に応じてレストアし、車の経歴を調べて裏を取りオークションに出品しています。騙されて偽物をつかまされるリスクを軽減してくれるわけですね。これまでより安心して取引ができるようになっただけでなく、多くの人が購入のチャンスを得られるようになり、価格の変動が大きくなるという影響も与えました。これは功罪両方あるとは思います。

個人間でやってきた友達価格での売買がやりにくくなったということですからね。

オークション落札例

「フェラーリ250GTO」

 

2014年8月アメリカモントレーで行われたオークションで、1962年製フェラーリ250GTOが3,800万ドル(約36億円)で落札されています。

この車は、1964年までに39台が製作されました。世界スポーツカー選手権GTクラスでの活躍に加え、公道でも走れる最後のコンペティションGTとして高い人気がありました。

約40年前の車であり、当時39台しか製作されなかったことなど、その希少性が高額落札の理由です。

「フェラーリ 275GTB/C スペチアーレ」

2014年8月、RMサザビーズ・モントレー・オークションに出品された275GTB/Cスペチアーレは27億1,000万円で落札されました。

わずか3台しか製造されなかったこと、ル・マン24時間での優勝など優れたレース戦績があります。さらに、シャーシ番号とエンジン番号がマッチしていたことが高額落札に繋がりました。

「250GT SWBカリフォルニアスパイダー」

2015年2月、フランスで開催されたクラシックカーオークションでは、1961年製フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダーが1,630万ユーロ(21億円)で落札されました。

ボディは傷だらけで塗装も剥がれている状態でも、かなりの高額で取引されています。フランスの片田舎の納屋に忘れさられていた車は59台のコレクションのうちの1台でした。

復元なしに新車のまま維持され続けた個体は「納屋モノ」として高い価値があります。

「フェラーリ 250GTO」

250GTOは、1962年に登場したレーシングカーで数々のレースで優勝を飾った歴史的なモデルです。

オークションでは落札額約54億円の記録を持ち、個人売買では約76億円で取引された例もあります。

過去に大きく値上がりしたモデル

過去に大きく値上がりしたモデル
画像引用元:写真AC

フェラーリが過去に値上がりしたモデルを紹介します。

今後、フェラーリの価格は新旧問わず、右肩上がりに上昇することが予想されます。

フェラーリの一般的なモデルは、20年後まではジリジリ値段は下がりますがそこから反転上昇するパターンが多い傾向にあります。

つまり、2000年以前の車種であるF355や348、328が既に上昇しており、360はこれから上昇すると予想されています。

F355

F355
画像引用元:フリーフォト
フェラーリF355の新車価格は1,550万円(1994年~1999年)でした。

10年前はMTの合格点と呼ばれる比較的程度良好な車が798万円くらいで買えました。ところが現在は、1600万円以上と大幅に上昇しています。クラシケを取っている個体であれば2200万円くらいはするとおもいます。(走行距離によりますが)F1はより安い価格で買うことができますが故障の可能性が高く、修理が高額ですし、MTの方が楽しいのでMTをお勧めします。

当時798万円でF355の中古車を購入した場合、1回20~30万円の費用と、高額な自動車保険の支払を行っても、買取業者やオークション等で売却した場合、現在なら何百万円かのお釣りが戻ることになります。

以下の記事では、実際に僕が中古で購入したフェラーリF355スパイダーとその半年目の維持費について紹介しています。

328GTS 328GTB

328GTS 328GTB
画像引用元:GAZOO

フェラーリ328が製造されたのは、1980年代後半です。既に30年以上経過している車ばかりです。

328GTSと328GTBの違いは、オープンルーフを意味するスパイダーがGTS、固定ルーフを意味するベルリネッタがGTBです。

傾向としてGTBの人気が高まっています。現存する個体がGTSの方が多いため、ボディ剛性と希少性からGTBの価格がGTSの価格を上回っています。

2009年に328GTSには598万円(諸経費込み)で買えましたが、2019年には1,180万円と大幅に価格は高騰しています。

328GTSは約1,000万円から、328GTBは約1,200万円からが中古車相場とされ、人気と希少性の違いです。328は室内がタイトなのでGTBだと大柄な人ではヘルメットをかぶれない場合があり屋根が外せるGTSが当初人気で7000台ほど作られました逆にGTBは1000台程度しかないので後者の方が希少で高いというわけです。

一部走行距離の少ない328GTBの希少な個体は2,000万円オーバーもあり、簡単に入手することは出来ない一面もあります。

328はF355よりさらに小柄なボディでキュート、270馬力を発生させるV8 3.2Lエンジンは、F355より丈夫で手がかからないと言われています。

ただし、F355より古く、30年以上経過している機械ですので中古車選びは慎重に行なわなければなりません。

328GTSの詳細は以下の記事をご覧ください。

458スペチアーレ

458スペチアーレ
画像引用元:pinterest

フェラーリ430の後継として2010年に発売された458シリーズ、その中でも605馬力を発生する史上最高のV8フェラーリスポーツカーが458スペチアーレです。

スペチアーレは英語のスペシャルを意味し、0-100km/h加速を3秒でこなすV8フェラーリの頂点に相応しいスペックを持ちます。

2014年発売時の新車価格は3,390万円でしたが、実勢取引価格は4,300万円前後のため新車価格を上回るプレミアが付いています。

フェラーリのスペシャルモデルは限定生産が多かったのですが、458スペチアーレはカタログモデルでした。限定でないにもかかわらず、価格は高騰しています。

今注目のF355

今注目のF355
画像引用元:フリーフォト
製造終了から20年が経過し、市場価格の上昇が大きい注目車種がフェラーリF355です。

1994年5月に発表されたF355は、V8 3,500ccの5バルブのパワーユニットを持つことからF355となりました。

固定ルーフのベルリネッタ、ルーフが外れるタルガトップのGTS、1年後に発売されたフルオープンのスパイダーがラインナップします。

1997年にマニエッティ・マレリと共同開発したパドルタイプのセミオートマチックシステムの「F1マチック」が搭載されることで、より簡単にフェラーリを運転することが可能になりました。

クラッチペダルが無い2ペダルのためAT限定免許でも運転が可能なクラシックフェラーリです。

価格高騰の歴史背景

フェラーリF355の販売時期は、1994年~1999年までです。

新車価格は1,550万円で、その後中古車価格はジワジワと下がり続けました。

2001年には、F355スパイダー(6MT)を1,250万円、2009年にF355ベルリネッタ(6MT)を900万円で購入できたのです。

2009年と言えば、リーマンショックで日本も不況に陥り、比較的程度良好な合格点と言えるF355が700万円で買えたため、ココが底値だったと言えます。

その後はアベノミクスに追随し、F355の価格は上昇し続けて、コンデションの良いF355(6MT)は新車価格を上回る1,700万円前後の価格です。

F355の価格が高騰していると言っても、現行フェラーリの新車よりは安く、F8トリブートは3,328万円+新車オプション価格です。

1,000万円を切る価格なら、一度手に入れるチャンスはあった、手が届いた価格だったからこそ魅力があったと言えます。

リーマンショックから10年以上経過し、同時にF355も10年以上古くなっています。新車から20年以上経過したフェラーリのコンディションを良好に保つにはそれなりの費用が掛かります。

F355の中古車価格が高騰しているのには、そのメンテナンス費用も忘れてはいけません。

F355における6MTとF1マチックの違い

F355は6MT車の価格が特に急騰しています。

6MTはF1に比べシンプルで洗練された機構のため故障のリスクが低く、メンテナンス費用もかからず修理することも可能です。

F355から搭載された2ペダル式のF1システムは、クラッチ操作を自動で行い、変速はステアリング奥のパドルにて操作します。なお、自動変速には対応していません。

F1システムは、簡単に発進・変速が出来る反面、システムが故障すると修理できず、ほとんどがアッセンブリー交換となり、300~400万円の修理費用が掛かると言われています。

中古車サイトでは現在流通している6MTのF355は非常に少なく、うち過半数が不人気のF1マチックです。

メンテナンスも価格に影響

フェラーリF355の官能的なエギゾーストを味わうためにもメンテナンスにも気を使います。

328や348と異なり、エンジンが5バルブのためメカ的に繊細であることを考慮する必要があります。6MTと言えどもエンジンとは別のため安心できません。

コンディションの良いF355が減少していることがF355の価格高騰に拍車をかけています。

これから狙い目なのはモンディアル!

これから狙い目なのはモンディアル!
画像引用元:pinterest

フェラーリモンディアルは、308GT4の後継車として1980年に発売された「モンディアル8」に端を発します。

1993年まで13年に渡り生産されたV8エンジンをミッドシップに搭載した2+2の4人乗りフェラーリです。

1982年に発売されたモンディアル・クワトロヴァルヴォレ(QV)は、308クワトロヴァルヴォレに続き4バルブ化されてパワーアップしたモデルです。クワトロは「4」を意味します。

1983年に、フルオープンモデルのカブリオレは、クワトロヴァルヴォレをベースとしたオープンモデルです。主にアメリカ市場での拡販を狙って追加したモデルです。

1985年に、モンディアル3.2は、フェラーリ308がモデルチェンジし、328シリーズになったため、328と共通のエンジンをモンディアルに搭載しました。

これまでのV8 3.0Lエンジンから3.2Lに排気量をアップし、運動性能が向上、同時に細部のマイナーチェンジを行い、電装系の信頼性を高めています。

1989年に最終型となるモンディアルtが発売されました。

エンジンは348GTBと同じ排気量を拡大した3.4Lエンジンが搭載され、エンジンとクラッチが縦置きになったことが最も大きな特徴です。

縦置きを意味するトランバースの「t」が車種名に付され、フェラーリのF1マシンである「312T」にちなんだものとされています。

なぜ再注目されるのか?

日常使いが出来そうな4人乗りフェラーリモンディアルが注目されだしたのは、不人気だった前モデルの308GT4が高騰したことが理由です。308GT4は5年ほど前までは4-5百万円で取引されていましたが、いまでは1300万円ほどと2,3倍に高騰しました。308GT4はフェラーリで唯一のベルトーネデザインでデザインのトーンが他と違う上に、Dino246とは似ても似つかぬコンセプトなのに当初はDinoブランドで売られた悲しい車だったからです。僕的にはカッコいいともいますが4座のフェラーリは2座と比べて人気が低く308GT4は不遇なFerrariでした。それが突然上昇したことで、その後継であるモンディアルも値上がりするのではと注目されています。

モンディアルの魅力

モンディアルは4座のため、ホイールベースが長めになり、デザイン的にもやや間延びした印象ではありました。エンジンは308、308QV、328,348のエンジンを先行して搭載するお試し的なモデルで、大きなボディに同じエンジンですから、2座の車に対してはモンディアルは速くはありません。でも4人がちゃんと乗れて、荷室もあるとても実用的なFerrariで、しかも安いです!

モンディアルTなら5百万円台から、カブリオレなら7百万円台くらいからあります。僕はクラシックなモンディアル8はカッコいいと思います。

モンディアルTは348のエンジンですからマフラーを変えれば超爆音にすることも可能です。そこも魅力です。

モンディアル購入時の注意点

モンディアルを購入するにあたり重要なポイントはバレオマチックかMTかです。バレオマチックとは2ペダルMTです。3ペダルMTを選びましょう。バレオマチックは値上がりが大きいかもしれませんがMTの方が圧倒的に楽しいと思います。(私見)あとはフェラーリをちゃんと扱っていて知識があり、メンテナンスができるお店で買いましょう。あたり前ですね。あとは整備記録があるか、走行距離が短いか(それは本当か)など一般的なところばかりですがしっかり見ましょう。

まとめ

フェラーリは会社として古い車の価値を高く維持しようと努力してくれています。発売から20年くらいは価値が下がり続けますがそれ以降は大体上がります。(上がっていない車種も確かにあります。456など。。。)好きで車を買うのですから、値上がりするかどうかなんて本来二の次ですが、次もちゃんとした車を買うにはリセールがしっかりした車がいいですよね。そういう意味でフェラーリは最高です。お金もちの方には関係ないかもしれませんが、お金がかかる趣味ですので上手にやりくりしたいですね。

今回はフェラーリのクラシックカーがなぜ高いのかを詳細に述べました。異論反論ありましたら是非教えてください!

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