あけましておめでとうございます。はっしーです。今日はフェラーリ328GTSを紹介します。328は308の後継モデルとして1985年から1989年まで生産された車で、ボディのタイプが2種あります。屋根があるベルリネッタボディのGTBと脱着式の天板を持ち簡単にオープンエアを楽しめるGTSです。4年間でGTBが1,344台、GTSが6,068台生産されています。
この子はGTSなので天板(黒いパネル)が開きます。デザインしたのはピニンファリーナのチーフデザイナーだったレオナルド・フィオラヴァンティです。1885年のフランクフルトショーで公開されました。Dino206/246から続くスモールフェラーリの系譜を継ぐミッドシップのv8です。スモールフェラーリとかピッコロフェラーリとか呼ばれる車は人によって対象が異なるかもしれませんが、僕は12気筒以外の市販車フェラーリをそう呼んでいます。一旦ここではその定義で書き進みます。初代は1965年のパリサロンでデビューしたDino206/246はミッドシップ2リッターと2.4リッターV6、次のDino308/208GT4は1975年からデリバリが始まった4座ミッドシップで2リッターと3リッターのV8、その2座バージョンの308GTB(3リッターV8)も同時期にデリバリされています。308GTBシリーズは1985年まで生産が続きましたが、その後継モデルが328GTB/GTSです。
Wikipediaからお借りした308GTBの画像です。美しいですね。Dino206/246の抑揚あるラインを引き継ぎつつよりシャープなラインになっていますね。フェラーリを代表する美しい車です。70年代を代表するデザインだと思います。308GTB/GTSシリーズはその美しさとは対照的に時代的な背景から排ガス対策に追われる車でもありました。
1960年代に自動車の排ガスによる公害、健康被害が広がったことを受け1970年に成立したアメリカのマスキー法に始まる排ガスを規制する法律が世界各国で成立していきました。それを受け各自動車会社も対応を始めましたが、フェラーリもラインナップのインジェクション化や触媒の追加で対応を始めます。当初のキャブバージョンの308はヨーロッパ仕様で255馬力でしたが、80年以降のインジェクションバージョンはヨーロッパ仕様でも214馬力、アメリカ仕様では205馬力まで低下してしまいました。82年からはクアトロヴァルヴォーレ(4バルブの意味)モデルが発売され240馬力にようやく戻りましたが、8年前の個体よりパワーが出ていないという、なんとも悲しい状態でした。
そこで排ガス規制もクリアし、スポーツカーとしての速さも手に入れるため3リッターから3.2リッターに0.2l排気量を拡大した車が328シリーズです。
80年代にデビューしただけあって少しフロントが角ばったデザインになりました。黒い樹脂バンパーはボディ同色になり、フロントラジエーターの空気抜きのダクトの位置が変わっています。でもグラマラスなラインはそのままです。308の方が繊細な感じですね。328はロボっぽい感じがします。僕が81年生まれでそういうのを見て育ったからか、フェラーリといえばこれ!って言う車です。
80年代といえば僕のイメージはセリカXXのリトラクタブルでし。こんなにカクカクの車が流行ってたのですからフェラーリもカクカクして当然なのです。
328に話を戻しましょう。328 シリーズは3.2リッターのV8で270馬力を発生させます。同時代のランボルギーニ シャルパが250馬力で89年にデビューの32GTRが280馬力ですから、当時は競争力のあるスペックであったと伺えます。今となっては平気で800馬力オーバーの車が市販されていますので隔世の感がありますね。今の高出力な車たちは、トラクションコントロールなど高度な電子デバイスでの制御があってこそで、なんの制御や支援もなければ素人が扱えるものではありません。逆に328には何も電子制御もありませんので、ドライバーが自分の腕でコントロールしなくてはいけません。それが328 の楽しいところでもあります。パワステもありませんから駐車場を出る時から、慣れないと大変です😅パワーウインドウやエアコンはありますから慣れれば日常使いでも大丈夫です。
サイズは今の車で言うとプリウスくらいですこちらは328のサイズですが車幅は1730mmしかありません。
Wheelbase | 2,350 mm (92.5 in) |
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Length | 4,255 mm (167.5 in) |
Width | 1,730 mm (68.1 in) |
Height | 1,128 mm (44.4 in) |
下はプリウスのサイズですがが328よりちょっとデカいくらいですね。要するに328は小さな車なんです!
Wheelbase | 2,700mm |
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Length | 4,575mm |
Width | 1,760mm |
Height | 1,470mm |
488、F8トリビュートなど現代のフェラーリは幅が2メートル近いので、328 と比べると全然別物になってしまっていますね。348、355 になるとパワーに合わせて、車幅が拡大され大柄になっていきます。328は人間がなんの支援もなく扱えるパワーと小柄な車体を持ち、ピッコロフェラーリならではの軽さ、軽快さを持つ最後の車だと思います。
355はパワーは出ていますが、トラクションコントロールはなく、ギリギリ人がコントロールできる感じです。でも車幅が1900mmあるので328に比べると大柄です。道によってはデカくて気を使うシーンもあります。328はどこでも入っていけます。また車幅が小さいので車線の中でラインを選べるのでよりアグレッシブに走れる気がします。(そこまでの腕があるわけではないんで“気がする“です)
ではウチの328GTSの紹介に戻りましょう。天井が空いてオープンエアを楽しめるのが328GTSのいいところです。
開けるとこんな感じです。スパイダーとは異なり、天板しか開かないのでトンネルバック部分は当然残ります。GTSは天板が取れますから、大柄な人がヘルメットをかぶっても天井につっかえないので海外、特にアメリカではGTSが人気です。日本では希少性が高いGTBの方が好まれているようです。僕は音を楽しみたいのでオープンボディのGTSが好きです。
ちなみに天板は一台一台現物合わせで作られているので、天板だけ中古品で買ってきても、ぴったりハマることはありません。天板だけ売ったり捨てたりしてはダメです🙅♀️🙅♂️
フェラーリ社の年間生産台数は85年時点では2,800台ほどです。職人さんたちの手作りで作られているフェラーリのボディパーツは一品一様に近い状態のものが多いので壊したり無くさないように注意しましょう!
その他、GTSとGTBの違いはサイドのBピラーとCピラーに挟まれたガラスが黒いフィン状パーツで覆われてるかどうかです。上はGTSで黒いパーツで覆われてますね。下はGTBでガラスがそのまま見えています。
GTSの黒いフィン状のパーツは斜めに取り付けられているので運転席から振り返るとちゃんと右後方が見えます。
ちなみに左後方のフィン部分の中には給油口があり、給油の際には鍵を使ってフィン状の部分を開けてあげる必要があります。
右後方には跳ね馬のエンブレムがあしらわれています。
リアウインドウのガラスはコの字型に湾曲しています。トンネルバックのフェラーリは大体こんなリアウインドウを持っていますが、この形好きです。美しいと思いますが言葉にできません。(フェチの告白みたいですね。。)トンネルバックの形は後ろから見ると見切りが悪そうですが、左右の側面内側がえぐれてるので運転席からの視界は悪くはありません。そもそもリアウインドウが小さいので後方視界が良いとは言えないですが。
内装は黒です。シフトゲートは金属製で左上がバック、右下が1速、真ん中上が2速、真ん中下が3速右上が4速右下が5速です。一般的に2速は左下、3速は真ん中前ですが2速、3速のシフトチェンジを早めるために2速と3速が一直線に並ぶ仕様になっています。他の車と乗り換えると間違えそうになります。。。
ダッシュボード右端にGTSのロゴ
ダッシュボードは保存が悪いと縮みが起きてめくれたり、剥がれてきます。
メーターは左がスピード、右が回転数です。
パワステはありません。走っていれば大丈夫ですが微速では重いです。当然小回りは効きませんが、狭いところに行かなければ大丈夫🙆♀️🙆♂️
コーナーでの挙動などは別でレポートします!思いの外限界が高くて、めちゃくちゃ運転しやすいく、飛ばしても怖くないので運転が上手くなった気がします。もっと飛ばせるようになったときにレポートした方が有意義かなと思います。
マフラーはtubi製です。音は355 とは趣が異なりBuooooっていう感じです。355 はPfoooというイメージです。
ええ音です。Ferrari の音ですね。車種やマフラーにより音圧や音域が異なりますが音色はFerrariです。
トルクで走ることもできますが270馬力を使い切って速く走るにはエンジンの回転数を6千回転以上に維持しながら走らなくてはなりません。ブリッピングしながら最適な回転数になるギアに落として、コーナーに突入し、ラインをトレースできるアクセル開度を探って、立ち上がる時にガバッとアクセルを踏む混む瞬間に328はいいなーと実感します。
決してめちゃくちゃ速くはないのですが、自分の腕でなんとか扱える感が大好きです。僕にとっては十分速い!そして維持費もそれほどかかりません。
今回はフェラーリ328 GTSのご紹介でした。次回は維持費などディティールをご紹介しますね!
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