【愛車紹介】Alfa Romeo 2600 Touring Spider 64年製 フラッグシップらしいパワフルかつジェントルな4座オープンをご紹介します!その1

【愛車紹介】Alfa Romeo 2600 Touring Spider 64年製 フラッグシップらしいパワフルかつジェントルな4座オープンをご紹介します!その1

(5/16追記)最後に2600を紹介する動画を追加しました!写真だけではわからないディティールをぜひご覧ください!

 

こんにちは。はっしーです。家族が増えたので、みんなで乗れるクラシックカーを探していましたが、運転して楽しく、見て美しい、ラリーにも出られる車でオープンがいいなぁとかわがままをいうというとそう簡単にはありませんでした。ポルシェ356、ビッグヒーレー、MGA、ベンツ280SLなどなどいろいろ考えましたが、とうとう見つけました!Alfa Romeo 2600 Touring Spiderです。希少な車で日本語の詳細な記事も少ないので詳細にご紹介します!、箱根にロングドライブに行ってきたのでドライブフィールやトラブルについても書きますね。Alfaromeo 2600 Touring Spider アルファロメオ トゥーリングスパイダー

2000/2600シリーズとは

アルファロメオはもともと高級車を少量生産する自動車メーカーでしたが第二次大戦時には国策により戦闘機のエンジンを製造など軍需工場として活用されたこともあり空襲で本社工場が破壊されるなど戦争で大きな打撃を受けていました。戦後、アルファロメオは量産車メーカーとして再起を図ります。それが成功して後のジュリアシリーズなど今でもクラシックカーファンに愛される車ができたわけですから素晴らしい決断だったと思います。初めての本格量産車は1900シリーズです。1900シリーズは1950年から59年まで生産され、そい生産数は21,304台に上る大ヒットシリーズとなりました。その後継が2000/2600シリーズです。まず1957年から2000ccの4座のベルリーナとカロッツエリアTouringのボディが架装された2座のスパイダーが生産され、その後スプリントが1960年から追加されました。

1962年までで2,814台のベルリーナ、3,443台のスパイダー、704台のスプリントが生産されています。当時、イタリアの高級車市場は2500ccのランチアフラミニアが売れており対抗するため2000シリーズもエンジンを2600ccとしパワーアップを図りました。1962年から1968年まで作られ、ベルリーナ、2+2化されたスパイダー、スプリント、ザガートボディのSZの4タイプが存在しました。

2600スパイダー

2600スプリント

2600SZ

2600は1968年までの6年間でベルリーナが2092台、スパイダーは2255台、スプリントは6999台、SZが105台生産されています。アルファロメオの旧車といえばジュリエッタやジュリアシリーズが有名ですし中古市場のタマ数も多いですよね。ジュリエッタスパイダー1車種で14,200台ですから2600シリーズの少なさがわかりますね。ジュリエッタは1954年から1965年までの生産です。2000/2600シリーズと同時期ですね2000/2600シリーズは当時のフラッグシップのシリーズで数は出ない車ではありますが生産台数としては商業的にはあまり成功ではありませんでした。スプリントは4座で実用性で売れたようですが、スパイダーはジュリエッタスパイダーを間延びさせたようだという評価だったそうです。

こちらはAuto Directさんからお借りしたジュリエッタスパイダーの画像です短くてかわいいですねhttps://www.auto-direct.jp

Alfaromeo 2600 Touring Spider アルファロメオ トゥーリングスパイダーこちらは僕の愛車2600TouringSpiderです。長くてゴージャスでカッコいい。だいぶテイストが違う車のように見えますが当時は比較されて間延びしていると思われたそうです。わからんでもないですが、デザインは両方とも素晴らしいと思います。700キロぐらいしかないジュリエッタスパイダーの軽快さに比べると2600トゥーリングスパイダーは1300キロ程度と重いですしハンドルが重く小回りが利くわけでもないので、ジュリエッタの方が楽しい領域が広いとは思います。2600は狭い峠はしんどいですが、ゆるいコーナーの峠や高速道路は楽しいです。トルクもあって坂道も上がりますし2600だから楽しい道もいっぱいあります。ジュリエッタだと1速じゃないと上がれない峠がありますからね。。。

こちらは以前乗っていたジュリエッタスプリントですが2600と比べるとライトやグリルのテイストが似ていますね。操作の感覚も類似性があり、クラッチが手前で切れる感じや3速から2速へのシフトダウンで回転数が低いとギアが入らない感じなどが一緒です。もちろんエンジンのサイズは2倍ですし直6ですから3千回転も回せば十分なトルクが得られ、ビュンビュン回さないと走らない1300ccのジュリエッタとは全然別です。回してまくって走るのがジュリエッタの楽しいところですからまさしく性格が違う比較対象にならない車だと思います。オープンのデュエットと両方持っていて違和感ないのも同じ理由です。

Spider Touring

2000/2600シリーズの歴史を振り返ってきましたが、Spider  Touringにフォーカスしていきましょう

カロッツェリアTouring

Spider  Touringのボディを架装したのはTouringというメーカーでした。ご存知の方も多いと思いますが当時のイタリアの自動車会社はエンジンとシャシーを製作して内外装は別の専門の会社(カロッツェリアと呼ばれます)に依頼するのが普通でした。ギア、ピニンファリーナやベルトーネ、スカリエッティなどがありますが、その中の1つがTouring社です。1926年にミラノで設立されフェラーリ195やアストンマーチンDB4、ランボルギーニ350GTなどを手がけた後、1966年に活動を終了しています。2600は活動停止直前の仕事だったようですね。

フェラーリ195

アストンマーチンDB4

ランボルギーニ350GT

活動停止後、2006年にブランドが復活し、Alfa  Romeo Discovoranteの制作などコンセプトカーなどのデザインやボディ製造、ヒストリックカーのレストアサービスをされています。

 

色々なメーカーにデザインを提供していますがなんとなく共通したテイストを感じますね。 2600 Touring  Spiderのノーズの長さにも類似性がある気がします。今気づきましたがランボルギーニの350GTと車幅灯が同じですね。

2600 Touring Spiderのディテール

Alfaromeo 2600 Touring Spider アルファロメオ トゥーリングスパイダー

サイズは長さが4520mm幅が1690mmです。長さはF355の4250mmより長く、マツダCX5と同じくらい。幅はヤリスの1695mmとほぼ同じくらいです。長細い感じです。重さは乾燥重量で1.3トン、人が乗って1.5トンですからクラシックカーとしては重量級です。A110やジュリエッタの倍ですF355が約1.4トンなのですが馬力は半分以下なので速い車ではないです。エンジンは直列6気筒でソレックスの3連キャブがついています。アルファロメオでは最後の直6です。直6らしいスムーズな回転で「いい車乗ってる感」があります。4気筒のアルファツインカムのようなやんちゃ感ではなく大人な感じ。下からトルクがモリモリ出るのでレッドまで回して走るような車ではありません。ギア比的にも高めで低回転で高速を維持しやすい車です。高速道路がすごく楽です。145馬力を発生しますが、108馬力のデュエットから乗り換えるとめちゃくちゃ速く感じました。回さないと走らないデュエットに対して、ちょっと踏めば速度が乗る2600Touringは怖いくらい速いです。

まだ慣れていませんし、ネガ出しが終わっていないので無茶苦茶飛ばしていませんが、回せば結構なスピードが出ると思います。スピードメーターは240キロまで表示されています。そこまでは出ないと思いますが日本の公道では試せない速度が出ると思います。いつか公道以外で試してみたいですね。

メーターは左から水温計、油温計、速度、回転数、油圧、燃料計と並びます。油温計は今のところ動いてないです。水温は常時90度くらいです。春先の気温ですが二十分くらいの渋滞にはまっても全く変動はありませんでした。まだ経験が少ないのでなんとも言い難いですがオーバーヒートですぐ死にそうになる車ではない気がします。出力が低いのとラジエーターのデカさに期待です。ダブルバブルように後ろにエンジンとラジエーターがあると怖いですが前からの風でガンガン冷やせるので大丈夫ではないかと期待します。

スイッチ類は引っ張るか回す系でヘッドライト、ワイパー、ヒーターファンなどが並びます。つまみにある絵でどういうスイッチか表現しているのですが、電球💡とかなんともかわいらしい雰囲気です。旧車ならでは。

Alfaromeo 2600 Touring Spider アルファロメオ トゥーリングスパイダー

ミッションは5速のHパターンで押し込んで右下に持ってくとリバースギアに入るアルファロメオのいつもの形式です。1速にはシンクロがないので2速に入れてから1速に入れます。2速のシンクロを使うためなんですが、信号待ちでニュートラルでぼうっとしていると焦ります。いきなり1速に入れるとジャリッというのでミッションが可哀想です。

こちらの動画では1速にダイレクトに入れてしまった時の音が聞けます。9分50秒くらいからのドライブシーンで1速のジャリッという音が聞けます。こうならないように毎回必ず2速に入れて1速に入れるんです。

ジュリアやデュエットであればまだダブルクラッチはいりませんが2600ジュリエッタはシンクロの容量が小さいのかダブルクラッチを踏みます。一回ニュートラルで1秒ほど待ってゆっくり入れれば入るのですがウチの2600Touringは1→2速が結構シビアでダブルクラッチ踏んでもガリッと跳ね返されることがあります。あまり1速で引っ張らず低回転で2速に繋ぐなど工夫が要るのですが、そういうところはクラシックカーの楽しみの1つだと思います。

大事に乗るだけでも小技を要求するところを楽しいと思うか面倒だと思うか。

ちなみにジュリエッタの方が運転は難しいです。回転落ちが異常に速くアクセルを煽らないとギアが入らないわ入ってもエンジンの回転と合わなくてギクシャクするわで全然難しいです。アクセル煽って回転が落ちる隙にギア入れるとか色々操作して、アクセル煽ってエンジンとミッションの回転合わしてと、アクセルで運転する感じです。フットブレーキは補助的で、積極的にシフトダウンしてエンジンブレーキ効かせてとまる。なんとなくですが速く走ろうとする方がアルファロメオはうまくいくように設計されてる気がします。

一方で2600は割とのんびり運転する感じです。トルクがあるので3千から4千回転も回せば十分な速度を得られます。ジュリエッタもデュエットも5-6千回転回さないと加速を感じないのとは正反対です。2600は2千500回転くらいでギアを変えていけば街乗りの速度がキープできます。ブレーキもよく利くので4速からフットブレーキだけで止まっても平気です。つまらないので3速には落としますけど。3→2速が結構回さないとギアが入らないのでヒールアンドトゥをする時に煽り量が多めになってスムーズにできず練習中です。ちなみにアルファロメオはブレーキとアクセルが近くてヒールアンドトゥがめちゃくちゃやりやすいです。

ブレーキを軽く踏みながらガニ股方向に右膝を動かしたら自然にアクセルに足の外側が当たって煽れます。フェラーリもギブリカップもブレーキをしっかり踏まないとアクセルに届かないです。フットブレーキしっかり使えってことなんでしょうね。踵でアクセル踏みにいく感じでやってます。ちょっと苦手です。

Alfaromeo 2600 Touring Spider アルファロメオ トゥーリングスパイダードアを開けるとプレートがあり43番目に製造された個体のようです。サイドシルが分厚く高いのでここで剛性を担保しているのがわかりましすね。ジュリエッタよりも少し硬めの乗り味で非常に安定しています。もっと振り回したら違うのでしょうがボディはしっかりしています。

助手席の足元はひろくて結構ゆったりです。ドアの丸いノブを回すと三角窓の開閉ができます。細かい調整が効いて結構便利です。三角窓は空調がわりですから利用頻度高いですから重要です!

2600の動画

YouTubeにアップした動画です。気に入ってもらえたらチャンネル登録と高評価をお願いします!

 

まとめ

5千文字近くになってきたので記事を2つに分けます!今回は2600の歴史と機関系を中心に紹介しましたが次の記事では外装や積載性、幌の閉め方など別の観点でもっと紹介していきたいと思います。2600は日本ではあまり知られていない車なので、詳細にレポートしていこうと思います!

こんな優雅なアルファロメオはないですしクラシックカーなのに実用的な車も珍しいと思いますのでぜひ皆さんに知っていただきたいです!イベントや街中で見かけられたらぜひお声がけください!

 

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