メンバー(愛車)紹介:アルピーヌ A110 オリジナル!1974年モデルの美しいラリーカーをご紹介!デザインだけ?本当に速いの?稀代の名車ってどんなの?を深掘り!その1

メンバー(愛車)紹介:アルピーヌ A110 オリジナル!1974年モデルの美しいラリーカーをご紹介!デザインだけ?本当に速いの?稀代の名車ってどんなの?を深掘り!その1

(5/16追記)A110を紹介する動画を最後に追加しました。写真ではわからないディティールが見えると思います。あとエンジンサウンドが素晴らしいのでぜひ見てください!

 

こんばんは。はっしーです。今回は僕の子供の頃からの憧れアルピーヌ A110をご紹介します。美しい見た目とラリーを戦う速さを持ったすごいクルマです。数年前に新しいA110が発表されとても人気ですが、そのオリジナルバージョンの方。もはやクラシックの域に達した1962年に発表された旧型のA110です!カーグラフィックTVのオープニングに出ていた白のA110はカッコ良かったですね!alpine A110 アルピーヌ

 

我が家のA110はブルーです。1974年製の1600SCでオリジナルは1600ccの直4エンジンですが1800ccにボアアップされています。1973年のモンテカルロラリーで優勝したA110も1800ccでしたから、当時としては一般的なチューンだったのでしょう。長らくA110マニアのオーナーさんの元にいた後、我が家のメンバーになってくれました。とてもオリジナル度の高いクルマなので各部のディティールをじっくりお伝えしようと思います。

まずはA110の歴史から紐解いていきましょう。アルピーヌとはフランスのディエップにあった自動車メーカーの名前です。ジャン・レデレが1955年に設立しルノーの車をベースにレーシングカー、スポーツカーを製造販売していました。最初に作っていたのはA106というルノーの4CVをベースに新たなデザインのFRPボディをかぶせてエンジンと足回りを強化した車で、47馬力ながら重さ500キロの軽量さを武器にミッレミリアで3回のクラス優勝を果たしました。アルピーヌ A106

丸目で丸いノーズがA110を彷彿とさせますね。ナンバーの位置も似た感じです。FRPボディで軽量化して戦うというのも共通しています。レデレさんの趣味、志向性が表れているようです。

アルピーヌ は社はルノーのディーラー業で稼ぎつつより速い新しい車を設計し始めました。A108という車です。ルノー5CVドーフィヌをベースとしています。ルノーの工場から5CVのエンジンと足回りが送られてきて、それをアルピーヌ 製のシャーシに組み込み、FRPボディを被せて作られたので、ベースと言ってもほとんどがアルピーヌ設計生産のパーツで構成されています。

見た目はA110そっくりですね。このベルリネットのデザインは初期のA110 にほぼコピーされたそうです。この頃はボディタイプが色々あり、カブリオレや2+2のモデルなどもありました。

A108の次に、もっとラリーで勝てる車として作られたのがA110です。1962年のパリサロンでデビューしました。ルノーの8がベースですが、エンジンはチューンされ足回りはアルピーヌのオリジナルですし、ランプ類が共通な程度で、ベースって言うのかな?というレベルでアルピーヌ オリジナルの車になっています。エンジンの排気量や各年の仕様が結構違うのですが大きく分けると1000cc、1100cc、1300cc、1600ccのモデルがあり、ボディやシャーシの違いで、無印と、G、S、SC、SCのインジェクションモデルのSI、デチューンされてシンプルなクーペになったSXがあります。最大排気量の1600で比べると一番軽量なのは1600Sで700kg、140馬力に対しては軽い車体です。RRの駆動形式でリアに荷重を集めトラクションを得るデザインで1971年にはWRCでチャンピオンシップを獲得しました。ディーラーと兼業だった小さなメーカーが世界で勝ってしまったんです!雪の中を走ったり

アルピーヌ A110 アルピーヌ A110

泥だらけのダートでジャンプしたり、ヨーロッパを転戦する過酷なラリーで年間チャンピオンを取ったんですから本当にすごいことです。アルピーヌ はA110で71年と73年の2回もチャンピオンになっています。

ジャンプしてる写真を見て何か気づかれませんか?後輪のタイヤが内向きに垂れ下がってませんか?実はこれはSの特徴です。Sはスイングアクセルというサスペンション形式を採用しています。下はGazoo.comさんでお借りした画像です。とっても勉強になるので是非リンク先を読んでみてください!

とてもシンプルな形のサスペンションです。車軸の車体中央側の根本で角度がつけられタイヤが上下に円弧を描くように動きます。上の画像では右のタイヤが上にあがってますね。角度がつけられるのがタイヤ側で無く車体中央側なのでタイヤはハの字になっています。キャンバー角というやつです。ドリフト車が鬼キャンとかやってるあれですね。

タイヤが上がる時はあんまり問題にはなりませんが逆に車体が上にタイヤが下に行った時はどうなるでしょう?この画像の逆ですから逆のハの字になってしまいますね。それがA110がジャンプした時に起こってった現象です。アルピーヌ A110それがこの後輪の動きの正体です。ラリーでジャンプしてる時のイメージって僕はこれだったのですが、みなさんはどうでしょうか?実はこの動きはジャンプ中には大丈夫ですが、路面上で起こると少し問題があります。要は踏ん張りが効かずにスピンしやすくなるんです。コーナリング中にバンプがあって不意に車体が跳ねる時がありますよね?そんな時に逆ハの字状態が起こりえます。そうなるとお尻が滑り始め、お尻に積んだ重いエンジンごとコーナーの外側に引っ張られていきます。そこでうまいドライバーは適切なカウンターを当ててスピンを回避できますが、僕のようなそうでない方はびびってアクセルを戻し、カウンターを当て損ねてスピンモードの突入するかもしれません。。。

それを改善したのがSCなんです。SCのサスペンションはダブルウィッシュボーン形式です。A310という別のモデルから流用されています。

画像はダブルウィッシュボーンの形を表しています。アルファベットAみたいな板が2枚並行に並んでいます(アッパーアーム、ロアアームと言います)が、この根本が車体とつながっていて、車体側だけで無くタイヤ側もボールジョイントで角度がつけられます。そのためアッパーアームとロアアームは並行を保ったまま上下でき、タイヤは地面に対して垂直を保ったまま上下することができます。(本当はキャンバー角があるので完全な垂直ですはありません)

これで逆ハの字にはならないので安定する様になりました!僕のような上手くないドライバーにも安心です!

alpine A110 アルピーヌ タイヤ

 

こちらは僕の1600SCの後輪タイヤですが金色に見えるのがロアアームです。タイヤは踏ん張りが効くように結構なキャンバー角がついてはの字になってますね。

SCは軽量なSに比べ少し重量が増え、パワーは同じですが、サスペンションが強化されより安定して速く走れる車に進化したと言えると思います。A110好きとしては軽さは正義なので、悩ましいですが僕にとってはベストチョイスのA110です!ではSCのディティールを紹介していきましょう。

A110の特徴はなんといってもいっぱい付いている灯火類です。丸目ライトがかわいいですね。alpine A110 アルピーヌラリーは夜間にも走りますので、強力なライトが必要です。サーキットではない一般道や山道を走るので未知のコーナーを目視で確認するには広い範囲を照らす必要があります。バンパーについている白いランプは外側を向いていて、道路の左右を照らせるようになっています。

alpine A110 アルピーヌ

ヘッドライトをつけるとこんな感じ。黄色くて優しい光でした。現代のLEDのプロジェクターライトなどとは全然違いますね。。。たくさんライトをつけていた理由がよくわかります。A110 ヘッドライトメインのヘッドライトにはカバーがついています。ヘッドライトのカバー好きとしてはとても惹かれるポイントです。アルファロメオデュエットにもありますね。黒いアイラインが引かれてより印象的な目になっています。上から見ると白いバンパーについているランプが大きく外を向いてることがよくわかりますね。

フロント下部には3つのダクトがあり、左右はブレーキを冷やすためのものと思われます。中央の大きなダクトの向こうにはラジエーターがあります。1600ccのモデルはフロントにラジエーターがあり1300 ccのモデルはリアにラジエーターがあります。

ラジエーターのダクトはよく見ると焼肉を焼く網みたいな感じで波波の棒が格子を作っています。旧車の網ってだいたいこんな感じですね。

左右のダクトはこんな感じです。メッキバンパーの下に開いていてブレーキを冷やすためと思われます。フロントタイヤも結構なキャンバー角がついていることがわかります。タイヤは意外に細いです。140馬力ですから、これでも大丈夫ということなのでしょう。フロントの軽さの合間ってハンドルは重ハンなのにとても軽いです。設地感はあって手応えあるのに軽い不思議なハンドリングの車です。走りは次回レポートします!

 

ボンネットを見てみましょう。交換用タイヤとガソリンタンクがあります。交換用のタイヤは無いことが多いのであって嬉しいです!結構ガリキズが入っていますが標準のホイールでした。

気になるのはオレンジのコレです。靴下のようなものでカバーされています。外してみると

ブレーキフルードのようです。寒冷地で凍らないようにという配慮なのでしょうか?無知ゆえですが初めて見たのでなんでかわかってません。

ガソリンはここから入れます。ガソリンスタンドの店員さんに任せて身やってもらえないので自分で開け方を覚えます。実はキャップが硬くて開かず、手が痛くなったので諦めました。車屋さんに開け方聞いてまたレポートします。ボンネットも全てFRPで軽いです。ボンネットを支える棒も無く、太い針金で支えます。折れないかビビりますがバネみたいにバインバインしていまして、大丈夫そうです。こんなところにも軽さの追求が感じられます。

ボンネットを開けた状態で表から見るといかにピカピカかよくわかります。本当の鏡のようです。

A110の特徴といえばメッキを多用しているところだと思います。青いボディと相まって美しさを引き立てています。

フロントガラスのモール部分のシルバーがカッコいいですね。

ワイパーやウオッシャーの出口もメッキです。

 

もちろんバンパーもダクトの格子もメッキです。

長くなってしまったので今回はフロント周りについてご紹介しました。次は車内やリアセクション、エンジン周りについて書きます。お楽しみに!

目次

動画

こちらはコッパディ小海で朝イチエンジンをかけて、外装や内装を紹介した動画です。コールドスタートの様子が見られます。

こちらは八ヶ岳を走っているドラレコ動画です。いい音してます。

 

 

 

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