登山道や砂利道などの舗装されていない道を走るトレイルランニング。
景色の良い山や丘陵のあるエリアで行われ、国内にはトレイルランニングができる場所がたくさんあります。
トレイルランニングの大会も各所で開催されるのですが、中でも長野県白馬村で行われる『白馬国際トレイルラン』は、例年多くの人たちが参加する有名な大会です。
この記事では、白馬で行われる白馬国際トレイルランの概要や大会に参加するに当たっての注意点、会場までのアクセスなどの情報をご紹介いたします。
トレイルランの大会へ参加する場合、事前に準備をしておかないと完走はもとよりケガをする恐れもあるので、しっかりと情報を把握しておきましょう。
またトレイルランニングは八ヶ岳でも有名な大会が実施されています。そんな八ヶ岳のトレイルランニングについてはこちらの記事で紹介しているので、併せてチェックしてみてください。
白馬国際トレイルランとは
白馬トレイルランとは、ブナの森や山など北アルプスを舞台に様々なトレイルを楽しむことができる大会です。
初めて開催されたのは2011年の9月で、2020年で9回目の開催を迎えました。
- 「冬だけではなく夏の白馬の魅力もたくさんの人たちに伝えたい」
- 「トレイルランをスキーと同じくらい有名にして白馬の観光の柱を増やしたい」
上記のような強い思いで、白馬国際トレイルラン実行委員会が主催となって行うようになりました。
2019年はコースの整備や、快適なトレイルランができる環境作りをするために大会を延期しましたが、それ以外の年は毎年開催されています。
毎年、国内外問わず多くの人たちが白馬国際トレイルランに参加しており、ビギナー~プロの方まで幅広く楽しめる大会として人気です。
また白馬国際トレイルランはアットホームな大会でもあり、会場付近からトレイル入口までの道にはランナーを応援するたくさんの地元の方たちがいます。
スタートしたランナーたちに大きな声援を送ったりハイタッチをしたりと、会場内は賑やかで明るい雰囲気が特徴です。
白馬国際トレイルラン実行委員長の武藤慶太氏は「イベントの力は大きく、白馬観光の明るい材料にしていきたい」と大会について語っています。
白馬国際トレイルランの概要
さて、白馬国際トレイルランがどのような大会なのかお分かりいただけたところで、ここからは参加資格やコース内容、難易度などの詳細情報を解説していきます。
参加資格はもちろん、コース内容や難易度などをあらかじめ知っておくことでよりスムーズに楽しくトレイルランができるので参考にしてみてください。
白馬国際トレイルランへの参加資格
白馬国際トレイルランは健康な18歳以上の方・もしくは保護者と一緒の中学生と高校生であれば、大会に参加することができます。
また、大会には予選と本選があり、事前に開催されるトライアルウィークという予選大会で男女各トップ50位に入られた方が本選への参加権を獲得出来ます。
なお、トップ50位に入ることができなかった場合でも、抽選で男女各50名に参加資格が与えられます。
抽選は予選終了後にコンピューターによって行われ、メールで参加獲得の通知が送られる仕組みになっています。
その他、2020年に起きた新型コロナウイルスの影響により、以下のような条件が追加されました。
- 大会出場前の2週間もしくは大会当日の体温が37.5℃以上ないこと。
- 過去2週間以内に政府から入国制限や入国後の観察期間が必要な国、地域等への渡航もしくは当該在住者と濃厚接触していないこと。
- 一緒に暮らしている家族や身近な知人にコロナウイルス感染の疑いがないこと。
予選には2,000人近くの人たちが参加しており、皆でタイムを競い合って本選参加資格の獲得を目指します。
ちなみに、2020年はコロナウイルスの影響で流れが変更となり、定員人数を200~300人ほどに絞って行われました。
白馬国際トレイルランのコース内容
白馬国際トレイルランは、予選と本選でコースが異なります。
予選のスタート・ゴール地点は、白馬ハイランドホテル付近にある『北野杜天満宮』という神社の鳥居です。
北野杜天満宮から東山(きこりの道コースの一部)エリアを中心にした標高約700~800m・約12㎞のコースを走ります。
2011年~2018年までは本選と同じく一斉スタートでしたが、2020年はバーチャル予選としてアプリでタイムを計測し各自で行う形式でした。
指定された期間内に予選コースを走行し、その際にスマートフォンアプリでログを取り、データを事務局へと送信することで予選参加となる仕組みです。
そして本選のコースについてですが、以下の4つのコースに分類されています。
- ロングコース(約50km)
- ミドルコース(約35km)
- ショートコース(約20km)
- ファミリー&トライアル(約7km)
上記のように、各コースによって距離・難易度が異なるため、ご自身のレベルに合わせてコースを選ぶことができます。
- ロングコース
八方第2駐車場~八方尾根~岩岳~落倉~木こりの道~グリーンスポーツセンタ~八方第2駐車場 - ミドルコース
八方第2駐車場~八方尾根~岩岳~岩岳の麓~白馬大橋~八方第2駐車場 - ショートコース
八方第2駐車場~八方尾根~岩岳ー楠川~岩岳の麓~白馬大橋~八方第2駐車場 - ファミリー&トライアルコース
八方第2駐車場~白馬大橋~木流し川~八方第2駐車場
また、当初は上記のコースでトレイルランが行われていましたが、2017年の第7回大会から逆回りで実施されました。
逆回りのコースとなった理由としては、安全性の確保や新規性・コースの難しさが変わるなどレースをよりパワーアップさせるためです。
各コースの制限時間は、ロングコース10時間・ミドルコース8時間・ショートコース6時間・ファミリー&トライアル4時間30分となっています。
また、2020年は参加人数を絞るといったこともあり、コース内容も大幅に変更となりました。
コースはスタート・ゴール地点を『白馬グリーンスポーツ』とし、白馬村東山(きこりの道)を中心に標高約920m・距離約20㎞のコースを走行する形となりました。
スタート開始は、コロナウイルス感染防止のため、15秒間隔で1人ずつウェーブスタートする形で行われました。
白馬国際トレイルランの難易度
初めて白馬国際トレイルランに参加される方は、特にコースの難易度は気になるところでしょう。
難易度は各コースや天候によって変わりますが、累積標高は低めで全体的に難易度は高くないので、ロングコースでも楽しみながら完走する方が多いです。
とはいえ、レース後半部分はロングコースの急な上り下りがある岩岳や八方尾根で険しい道が続き、多くのランナーたちを苦しめます。
ショートやミドルコースは比較的余裕を持って走ることができるので「楽しみながら完走できた」という声が多くあります。
また、各コースからは白馬の大自然や迫力満点の山々を眺めることができ「苦しくしても景色が素晴らしかったから最後まで頑張れた」という方も多いです。
各コースの完走率は毎年約80~90%と高く、ショートコースについては95%以上の年もありほとんどの方が完走しています。
白馬国際トレイルランの注意点
白馬国際トレイルランへ参加するにあたっていくつか注意点がありますので、事前に知っておきましょう。
- トレイルラン中、けがをしたり熊と接触したりしてしまい行動できなくなった場合は、すぐに白馬国際トレイルラン実行委員会に連絡をする。
- 白馬国際トレイルランでは団体傷害保険に加入していないため、自身で任意保険への加入をする。
- 白馬国際トレイルランのコースは、大会で貸切っているわけではないため、ハイキングをしている一般人やMTBライダーの方への配慮を忘れないこと。
- 健康を第一に考え、トレイルランニング中に体調不良を感じた場合は、すぐに競技を中断し健康管理に努める。
- 長野県外からお越しの方は前泊が義務付けられているので、白馬村内の宿泊施設に自分で予約をする。
上記のような注意事項に加え、新型コロナウイルスの影響によって様々なルールも追加されました。
たとえば、複数あったエイドステーション(コース内で水分や食べ物を補給できるよう設けられた場所)が1ヵ所しか設けられないなどです。
今までのエイドステーションとは異なるため、自分でドリンクや非常食を持参することをおすすめいたします。
白馬国際トレイルランへのアクセス
白馬国際トレイルランの会場(スタート地点)は『白馬グリーンスポーツの森』となっています。
長野県外からお越しの方は前泊する必要があるため、ホテルに向かうことになるかと思いますが、この記事では白馬グリーンスポーツの森までのアクセスをご案内いたします。
[車でお越しの場合]
◎東京方面から
首都高速都心環状線C1→『竹橋JCT』にて関越自動車道『大宮方面』へ進む→『美女木JCT』にて関越自動車道『大泉方面』へ進む→『大泉JCT』にて関越自動車道『新潟方面』へ進む→『藤岡JCT』にて上信越自動車道『藤岡/長野』方面へ進む→『更埴JCT』にて北陸自動車道『長野/上越』方面へ進む→『長野IC』より国道18号線経由で長野方面に進む→県道35号線・国道19号線・県道31号線・国道148号線経由→白馬グリーンスポーツの森(約4時間)
[公共交通機関でお越しの場合]
◎東京方面から
『新宿駅』→JR特急『あずさ』乗車→『白馬駅』→徒歩もしくは白馬村内巡回シャトルバス乗車→白馬グリーンスポーツの森(約4時間20分)
車でお越しの場合、駐車場はスタート地点の白馬グリーンスポーツの森付近に2か所設けられているので、誘導員の指示に従って駐車しましょう。
トレイルランをするなら白馬がおすすめ!
人の手が加えられていない大自然の中を走り抜く白馬国際トレイルラン。
壮大な北アルプスや美しく咲き誇る高山植物など、トレイルランをしながら絶景を眺めることができる最高の大会です。
コース内には少しハードな場所もありますが、苦しい場面を乗り越えて絶景を見渡した時の瞬間は感動すること間違いなしです。
また、沿道にいる人たちの温かい声援を受けると、きっとまた白馬国際トレイルランに参加したいと思うことでしょう。