実際、毎日8時間以上みっちり働いて大きな家を持って暮らすというライフスタイルに疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、タイニーハウスをセカンドハウスにするという新しいライフスタイルです。セカンドハウスでゆったりと有意義な時間を過ごすことで、生活満足度が向上しているという調査結果もあります。
日本では「東日本大震災」を経てタイニーハウスが注目されました。さらに、アメリカでは「シンプルライフ」といったタイトルで映画にもなっているほどです。
この記事では、新しいライフスタイルを目指す人に向けて、タイニーハウスを検討するうえで知っておくべき次のようなことを解説します。
- タイニーハウスとは何か
- タイニーハウスをセカンドハウスにするとどのようなメリットがあるのか
- タイニーハウスのデメリットや注意点
- タイニーハウスとは実際にどのようなものなのか
- 費用はどれくらいかかるのか
ぜひ日々の生活をもっと楽しく過ごすための参考にしてくださいね。
タイニーハウスとは?
タイニーハウスの「タイニー」は、英語の「tiny」を指しています。日本語では「小さな」という意味なので、タイニーハウスは小さい家という意味になります。
実際のところタイニーハウスはどのような家を指すのか?といった厳格な定義はありませんが、実際の使われ方としては「1人か2人住むのにちょうど良いワンルームハウス」のようなものだとイメージしてもらえば理解しやすいかと思います。
目安としては30平米程度までの家をタイニーハウスと呼んで良いでしょう。
タイニーハウスがなぜ最近になって人気になったのかというと、「地震や疫病などの災害」と「インターネットの発達」によるものだと考えられているようです。
具体的には、災害などにより都心に大きい家を持って住み続けることはリスクがあるという考え方が出てきており、さらにインターネットの発達により、場所に縛らない働き方ができる職種が増えるなど環境の整備が進められています。
このような背景から、一般的な住宅よりも手軽で自分好みにカスタマイズも可能なタイニーハウスの人気もでてきました。
さらに、目に見える「モノ」よりも「体験」重視の価値観に変わってきたという点も挙げられます。「ミニマリスト」のように、たくさんモノを持つ、大きいモノを持つこと自体がリスクと考える人も多くなっています。
タイニーハウスをセカンドハウスにするメリット
タイニーハウスをセカンドハウスにするメリットは次のようなものがあります。
- 初期費用や維持費が比較的安い
- 1つの場所にとらわれないライフスタイル
- 掃除や片付けがラク
- 人との適切な距離感が保てる
- インフラ設計が自由で楽しい
それぞれ解説していきますね。
初期費用や維持費が比較的安い
タイニーハウスは一般的な住宅に比べて初期費用や維持費が安いです。タイニーハウスの定義が小さい家であることから、ある程度は予想が付くかと思います。
一般的な住宅を購入する際にかかる費用の内訳は以下のとおりです。印紙税などは省いています。
- 土地代
- 本体価格(購入)
- 工事費(新築)
- 基礎工事費用
- 不動産取得税
- 登録免許税(登記)
- 固定資産税
- 家具購入費用
タイニーハウスであれば、これらのほぼすべてを一般的な住宅よりも抑えられます。
土地代については単純に面積に比例するためタイニーハウスであれば狭い土地の購入で済みますし、小さいおかげで本体価格も安い場合が多いです。
不動産取得税、登録免許税、固定資産税については基本的に物件の評価額に一定の税率で税金が発生するため、評価額が比較的低いタイニーハウスでは税金も低めです。
このように、タイニーハウスではその小ささを生かして初期費用や維持費を安く抑えられます。
1つの場所にとらわれないライフスタイル
タイニーハウスをセカンドハウスにした場合、1つの場所にとらわれない「多拠点生活」「デュアルライフ」が実現できます。多拠点生活のメリットを挙げてみます。
- より多くの人と知り合えるきっかけになる
- メリハリのある生き方ができる
- 趣味に没頭するなどリフレッシュができる
1つの生活拠点だけでは知り合えない人たちとも、セカンドハウスによって知り合え、人間関係の充実が見込めます。
また、セカンドハウスを持つ人の多くは「都会+田舎」という選択をしています。通常期間中は都会、休暇期間中はセカンドハウスなど、メリハリのある生き方ができ、充実した時間を過ごせることでしょう。
掃除や片付けがラク
そもそも不要なものなどをタイニーハウスに多く持ち込めないため、掃除や片付けがラクです。散らかすものがそもそもないわけですね。
掃除機をかける場合も、面積が小さいので非常にラクです。
人との適切な距離感が保てる
先ほど人間関係の幅が広がることをメリットとして紹介しましたが、逆に適切な距離感が保てるようになることもメリットです。
誰しも人間関係がうまくいかない場合もあります。そのような時に、一度その人との距離を置くためにセカンドハウスでゆっくりしてリフレッシュすると良いでしょう。
インフラ設計が自由で楽しい
タイニーハウスで生活インフラを自由に設計できることがあります。例えば、「オフグリッド」という言葉をご存じでしょうか。オフグリッドとは、送電系統とつながっていない電力システムのことを言います。
タイニーハウスでは、消費する電力が比較的少ないためにこのようなオフグリッドなども比較的導入しやすくなっています。
さらに、最先端のIoTや家電を取り入れ、スマートでハイテクなタイニーハウスを作り上げることもできます。
タイニーハウスのデメリットや注意点
魅力的なメリットを多数持つタイニーハウスですがデメリットや注意点もあります。
- インフラの確保が面倒な場合もある
- 気軽に人を呼ぶことはできない
- プライベートスペースが少ない
それぞれ解説していきますね。
インフラの確保が面倒な場合もある
タイニーハウスは移動可能なトレーラーハウスとして活用する場合もあります。そのような場合、電気や水道、ガスといった生活インフラの、供給側との接続方法に制約が生じます。
具体的には、「容易に脱着できること」が求められます。公共のインフラを引き込まないことを「オフグリッド」と呼ぶこともあります。オフグリッドは「災害時にインフラ供給が寸断されない」といったメリットを持ち合わせますが、広く普及しているものでないために環境を整備することは難しい場合もあります。
オフグリッドの具体例としては以下のようなものが挙げられます。
- 太陽光発電(電力)
- コンポストトイレ(下水)
- 井戸(上水)
- 貯水槽・浄化槽(上水)
- その他
気軽に人を呼ぶことはできない
タイニーハウスは基本的に狭いため、気軽に人を呼ぶことは難しいでしょう。1人や2人ならまだ良いですが、3人以上ともなると窮屈さを感じます。
プライベートスペースが少ない
タイニーハウスに2人以上で生活する場合の注意点です。タイニーハウスは居住面積が少ないため、どうしてもプライベートスペースが少なくなってしまいます。
1人でゆっくりしたい時も、自分の行動がもう1人の居住者につつぬけになってしまうことがあります。裏を返せば交流の機会が半強制的に取れるというメリットでもありますが、望まない方はパーテーションを設置するなどの工夫が必要です。
実際のタイニーハウスと価格相場
最後に、「タイニーハウスをセカンドハウスにしたい!」と思った方に向けて、実際のタイニーハウスにはどのようなものがあるのか、その価格はいくらなのかを紹介します。
「Hutte」ヤマミチ建築設計事務所
小さな家をキット販売するレーベンヒュッテブランドを展開するヤマミチ建築設計事務所は、岩手県で事業を展開しています。
こちらのタイニーハウスは9.94平米で、木の香りを感じさせる綺麗なつくりになっていますね。材料代は115.5万円で、基礎工事や施工を含めて総額は199.0万円とのことです。
同じくヤマミチ建築設計事務所が手掛けたタイニーハウスをもう1件紹介します。
こちらのタイニーハウスは23.18平米で、夫婦で農作業をしながら過ごすための新居として施工されたようです。予算は700~1,000万円。
「ノッポ」株式会社天城カントリー工房
株式会社天城カントリー工房では、「amagear TINYHOUSE」ブランドにて「新しいライフスタイルを提案する」をコンセプトとしてタイニーハウスを提供しています。
今回は、その天城カントリー工房の規格住宅の1つであるノッポを紹介します。
大きさは9.99平米で、本体価格は240万円。基礎工事、運搬設置費など諸費用を含めた参考価格は390万円とのことです。
天城カントリー工房のタイニーハウスは、今回紹介した「ノッポ」以外にもあるので気になる方はぜひ以下の参考リンクからチェックしてみてくださいね。
まとめ:タイニーハウスをセカンドハウスにしよう!
タイニーハウスは通常も住宅と比較してお手軽にセカンドハウスを持でます。また、掃除や片付けなどが非常にラクです。
この記事で紹介したタイニーハウスを参考に、ぜひ自分に合ったセカンドハウス(タイニーハウス)を検討してみてはいかがでしょうか。今まで以上に充実したライフスタイルを期待できますよ。