トレーラーハウスに住むメリット・デメリットとは?注意点や費用も解説!

トレーラーハウスに住むメリット・デメリットとは?注意点や費用も解説!
はっしー
ガレージライフ運営者の「はっしー」です。週末は「八ヶ岳」でドライブを楽しんでます。思い切ってガレージハウスを建てることにしました。八ヶ岳・小淵沢の魅力や楽しみ方を発信します。

古い洋画などでよく目にするトレーラーハウス。とても魅力的な外見から「1度は住んでみたい」と思った方もいると思います。

実際にトレーラーハウスに住むために、「何が必要なのか」「間取りはどんな感じなのか」、また「トレーラーの中ではどんな暮らし方をしているのか」など疑問に持つ方もいるでしょう。

そこで今回は、トレーラーハウスに住むメリットとデメリット、住む前に知っておきたいポイントについても詳しく解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください。

トレーラーハウスとは

「トレーラーハウス」と聞くと、「住む場所に縛られず、自由に好きな所に移動しながら暮らせる」とイメージする方が多いと思います。

そもそもトレーラーハウスとは車なのか建築物なのか、一体どういったものなのでしょうか。ここではまず初めにトレーラーハウスの定義について説明していきます。

【トレーラーハウスの定義】

  1. 道路運送車両法で定められた自動車であること
  2. 土地側のライフラインとトレーラーハウス側の接続構造が工具を使用しない方式であること
  3. 随時かつ任意に移動できる状態で設置し、かつその状態を維持すること

出展:トレーラーハウスの定義

この定義を分かりやすいように要約すると

  • 公道を走ることが可能。あくまで車両扱いなもの。
  • 電気・ガス・水道の取り付けが簡単に行える
  • 常に移動できる状態を維持している

ということです。

画像引用元:たびらい
ちなみにアメリカでは80年以上もの歴史があり、トレーラーハウス専用の町(集落)などもあります。

キャンピングカーとの違い

トレーラーハウスをイメージすると、住む場所に縛られず、移動が可能という点でトレーラーハウスとよく似たキャンピングカーが思い浮かぶと思います。

しかし、トレーラーハウスとキャンピングカーとでは根本的な違いがあります。その違いというのが、キャンピングカーは車です。車の中にベットやキッチンさらにトイレなどがついたエンジンが付いた公道を走れる乗り物(車)です。

一方トレーラーハウスは、タイヤの付いた板の上に家が乗っかっている車両である工作物。エンジンなどは付いておらず、移動する際には専用の車を使い、牽引する必要があります。また電気・ガス・水道などのライフラインを外部から供給することことも可能です。

キャンピングカーは短期の生活を目的としたもので、トレーラーハウスは長期滞在を目的としているという違いがあります。

次の項目から、トレーラーハウスに住むメリットを紹介します。

トレーラーハウスに住むメリット!

トレーラーハウスに住むメリットは、以下の5点です。

  • 住む場所に縛られない
  • 自由に移動できる
  • 固定資産税がかからない
  • 内装にこだわることも可能になる
  • 電気・ガス・水道が通せる

また、住む場所に縛られないメリットを生かすためには、車両で登録する基準をクリアしていることが大切です。メリットの最後に記載していますので、確認してみましょう。

メリット①住む場所に縛られない!

トレーラーハウスに住むメリットの1つ目は、住む場所に縛られないことです。

みなさんは「市街化調節区域」という言葉を聞いたことはありますか。市街化調整区域とは、市街地の拡大を防ぐために開発を制限されている地域のことで、以下のような制限があります。

  • 建物の建築が制限される
  • 建て替え・増改築・リノベーションの場合にも開発許可を受けなければならない
  • 基本的に農業や林業をする地域

トレーラーハウスは、市街化調整区域にも設置が可能なため「住む場所に縛られたくない」「のんびりとした環境で静かに暮らしたい」という方に、とくにおすすめです。

また、トレーラーハウスでも気に入った場所に定住し、住民票を取ることも可能です。ただし、一定期間住み続けることが条件になります。詳しくは、居住予定の自治体に相談してみてください。

メリット②自由に移動ができる!

トレーラーハウスに住むメリットの2つ目は、自由に移動ができることです。土地を購入して家を建てた場合、引っ越しはなかなか困難です。しかも、取り壊して更地に戻すともなれば、かなりの金額がかかるでしょう。

その点トレーラーハウスは自由に移動もできるため、土地を更地に戻す費用もかかりません。必要なときのみ使い、不要になれば売却することも比較的容易でしょう。

戸建ての場合「立地の条件+物件の条件」が合わないと売却できません。一方、トレーラーハウスの場合は、欲しい方の置きたい場所に運べば解決します。

戸建てと違い、家ごと移動できるのはかなりの強みです。また、トレーラーハウスは、タイヤが振動を吸収してくれるため、地震などの災害に強いという特徴もあります。

メリット③固定資産税がかからない!

トレーラーハウスに住むメリットの3つ目は、固定資産税がかからないことです。何度も言いますが、トレーラーハウスは建築物ではなく「車両を利用した工作物=住める車」という扱いになるため、固定資産税・不動産取得税の対象外です。

では、固定資産税がかからないことで、どれほど支払う税金が少なくなるのか簡単に説明します。

固定資産税とは「土地や家屋に課せられる地方税」つまり、不動産などの固定資産に課せられる税金のことです。住宅や住宅用地に限らず、商業利用している建物や田畑も固定資産税の対象になります。

地域や建物の設備・土地の価格などによって、固定資産税の額は毎年変動します。戸建ての固定資産税の平均は、10~12万円(年)です。マンションの場合、平均8~10万円。戸建ての場合、土地の価格が加わるため高額になる場合があります。

つまり、トレーラーハウスだと毎年10万円程度の節税になるということです。仮に10年間トレーラーハウスに住むとすると「約100万円」の節約になるでしょう。

ただし、トレーラーハウスの固定資産税の扱いは、各自治体によって異なるため、事前のチェックが必要です。

メリット④内装にこだわることも可能になる

トレーラーハウスに住むメリットの4つ目は、内装にこだわれることです。トレーラーハウスでは、水道やガス・電気などを引くことが可能です。ですから、お風呂やキッチン・トイレなども完備しており、お気に入りの家電をそのまま使えます。

トレーラーハウスは、一見狭く感じるかもしれません。しかし、一般的な住居と同様の広さと天井の高さが確保されています。部屋を区切れば2人で暮らすこともでき、意外と窮屈ではありません。

トレーラーハウスに搬入さえできれば、こだわりの家具と家電を設置し、自分だけの過ごしやすい空間にできるでしょう。

メリット⑤電気・ガス・水道が通せる

トレーラーハウスに住むメリットの5つ目は、電気やガス・水道が通せることです。前述したとおり、トレーラーハウスはライフラインが通せるため一般的な住居と同じように生活ができます。

トレーラーハウスでライフラインを通す場合は、取り外して移動できるものを使用するため、プロパンガスを使用することが一般的です。

トレーラーハウスの設置方法によって、先に話したメリットを生かせられない場合があります。

次に車両として登録するための基準を紹介していますので、確認しておきましょう。

車両として登録するための基準

トレーラーハウスでは、車両登録はとても重要なことです。そのため最後にトレーラーハウスを”建築物”ではなく”車両”として登録するための条件をまとめておきます。

【車両登録”OK”な場合】

  • 移動させるときに階段やベランダが邪魔にならず、移動の支障になっていない
  • 電気・ガス・水道などを特殊な道具を使わずに取り外しが可能
  • タイヤが付いていて、走行ができる
  • 設置場所から公道まで通れる道が確保できている(幅約4m程度)

次は、トレーラーハウスに住むデメリットを紹介します。

トレーラーハウスに住むデメリット!

トレーラーハウスに住むデメリットは、以下の4点です。

  • 設置場所が制限される
  • 地盤を選ぶ必要がある
  • 一般的な家より入口が高くなる
  • 運搬費・設置費が高額

トレーラーハウスにはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。購入後に後悔しないために、トレーラーハウスのデメリットについて順番に解説していきます。

デメリット①設置場所が制限される

トレーラーハウスに住むデメリットの1つ目は、設置場所が限られることです。前述したように、トレーラーハウスは市街化調整区域や農地でも設置可能です。

しかし、自治体によっては規制されていることもあり、確認が必要です。

また、トレーラーハウスは一般的にけん引車を利用して移動させます。いくら好きな場所で暮らせるというメリットがあったとしても、トレーラーハウスが通れないような狭い場所や高台にはなかなか設置できないでしょう。

移動する際には、運搬業者とよく相談をしてルート確認をしておくことも大切です。

デメリット②地盤を選ぶ必要がある

トレーラーハウスに住むデメリットの2つ目は、地盤を選ぶ必要があることです。一般的な住居を建てる場合、地盤工事を行っています。しかし、トレーラーハウスは建築物の扱いではないため、地盤工事は実施しません。

トレーラーハウスは重量があるためタイヤが食い込むこともあります。ですから、農地や地盤が緩い場所の設置は難しいでしょう。

トレーラーハウスを設置する場合は、地盤が固まっている場所を選び、ときにはコンクリートや舗装が必要になることも考慮することが大切です。

デメリット③一般的な家より入口が高くなる

トレーラーハウスに住むデメリットの3つ目は、一般的な家より入口が高くなることです。

トレーラーハウスは、常にタイヤが取り付けられている状態のため、一般的な家と比べると入口が高くなります。ですから、階段やウッドデッキは必須になるでしょう。

また、いつでもトレーラーハウスが動く状態でないといけません。階段やウッドデッキは、独立している、かつ動かせるものである必要があります。

さらに床下の隙間を風が通り抜けるため、冬場には床から冷気が伝わってくるでしょう。ですから、室内の床の防寒対策も重要となります。

当然、車両として登録しているため、トレーラーハウスを二階建てにしたり、上にもう一つトレーラーハウスを重ねたりすることはできません。あくまでも車両として動かせるということがトレーラーハウスの条件です。

デメリット④運搬費、設置費が高額

トレーラーハウスに住むデメリットの4つ目は、運搬費や設置費が高額になることです。

トレーラーハウスの運搬には、高度な技術が必要です。車のように自分で目的地まで運転するのではなく、運搬のプロに依頼することになります。

また、設置する場所の土が柔らかいと、重機を使い土地を慣らしておく必要もあるでしょう。さらに、搬入時の際にトレーラーハウスを持ち上げるために、フォークリフトやクレーンを使う場合もあります。

大きなサイズのトレーラーハウスの場合「特殊車両通行許可(4万~)」「基準緩和認定書(3万~20万)」などの申請が必要になり、移動距離によっても料金が異なります。トレーラーハウスの運搬は、1回平均30万以上かかると言われています。

トレーラーハウスに住むために必要なもの

トレーラーハウスの定義をもう1度おさらいして、トレーラーハウスに住むために必要なものをご紹介します。

【トレーラーハウスの定義】

  • 公道を走ることが可能。車両を利用した工作物=住める車
  • 電気・ガス・水道の取り付けが簡単に行える
  • 常に移動できる状態を維持している

ブレーキ・ブレーキライト

トレーラーハウスは、車両を利用した工作物です。公道を走行するためには、ブレーキとブレーキライトが必要です。

ブレーキには、トレーラー自らブレーキを働かせる「機械式慣性ブレーキ」と牽引車のブレーキ反応を伝える「電気ブレーキ」の2種類があり、どちらも必須です。

また、後続車にブレーキのタイミングを知らせるため、ブレーキライトも公道を走行する際に必要な設備の1つです。

電気・ガス・水道などの着脱構造

電気・ガス・水道などのライフラインも一般的な建築物と同様に供給が可能です。(ガスはプロパンガスになります)どのライフラインも工具を使わずに手動で着脱するためのアタッチメントが必要になり、移動する際はすぐに外して家ごと走行できるようになっています。このライフラインの着脱構造もトレーラーハウスに必要な設備の1つです。

ナンバープレート

公道を自由に走るためには、ナンバープレートの交付が必要です。ナンバープレートを交付してもらうためには車検を受けなければなりません。正しい手順を踏んではじめて仮ナンバーを取得でき、公道を走れます。また、定期的にメンテナンスをして車検への対策をとっておくことも大切です。

しかし、上記の「トレーラーハウス」の条件をクリアしていない場合は、建物用として使うこともできます。

次の項目から、トレーラーハウスを建築物として使用する条件について解説します。

トレーラーハウスを建築物として使用する条件

トレーラーハウスを建築物と使用する条件は、土地に定着させているかどうかで異なります。

以下の4点が、建築物に該当する条件です。

建築物に該当する例(建築基準法の適用を受けるもの)
  • 随時かつ任意に移動することに支障のある階段・ポーチ・ベランダがあるもの
  • 給排水・電気・ガス・電話・冷暖房等の設備配線配管をトレーラーハウスに接続する方式が工具を使用しないで取り外すことができないもの
  • 車輪が取り外されているもの、走行するに十分な状態に保守されていないもの
  • 設置場所から公道に至るまでの通路が連続して確保されていないもの

(引用:非営利型一般社団法人 日本トレーラーハウス協会

上記のように、ライフラインが固定されていることや車輪が取り外されているなど、走行できる環境でないことが条件です。また、建物として使用する場合、固定資産税がかかることを考慮しておきましょう。

トレーラーハウスに住むための業者選び

自分にあったトレーラーハウスに住むための業者選びのポイントは、以下の3点です。

  • 設計の自由度は高いか
  • 法令違反していないか
  • 実績は多いのか

価格面はもちろん、アフターサービスや保証などは業者や購入店によってさまざまです。トレーラーハウスの購入を考えている方に向けて、失敗しない業者の選び方をいくつか紹介しておきます。ぜひ参考にしてみてください。

設計の自由度は高いか?

トレーラーハウスは車両とはいえ、住居には変わりありません。つまり注文住宅のように0から自由に設計が可能です。あなたのイメージや要望をしっかりと実現してくれるフルオーダーのトレーラーハウス製作が可能な業者を選びましょう。

またウッドデッキや階段・ベランダなどの外構の施工や内装のデザイン・土地探しなど、幅広い範囲を対応してもらえる業者だとさらに安心です。

法令違反していないか?

上記でも説明したように、トレーラーハウスは車両のため、ライフライン(電気・ガス・水道)やウッドデッキ・階段などは簡単に取り外せるものが条件です。トレーラーハウスに完全に固定してしまうことはできません。

トレーラーハウスの基本的な条件はもちろん、設置場所を管轄している建築行政によって設置基準や内容が変わります。万が一、違反した場合は違法建築物となり、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金になります。

事前に設置する管轄の建築行政にトレーラーハウス設置の相談や書類提出の代理ができる業者を選ぶようにしましょう。

実績は多いのか?

どのような業種でも、実績・経験が多いとサービスや品質力がどんどん向上していきます。トレーラーハウスでも設置実績が多い業者の方が有能だということです。

定期的なメンテナンスや修理などアフターフォローをしっかり行っているかも重要です。購入後のトラブルを防ぐためにもチェックしておきましょう。

間取り・価格について

どのような間取りのトレーラーハウスがあるのか、間取りの事例を2つ紹介します。また、同時に平均的な価格についても記載しています。

【例:1】
約799万円

画像引用元:パークホームズ群馬店

【例:2】
398~598万円

画像引用元:パークホームズ大分

上記のトレーラーハウスは、一般的な戸建ての住宅よりは狭くなっています。しかし、自分にとって不要なものは省き、必要なものだけを揃えて普通に生活するのには申し分ない広さと、快適性があります。

住宅平均購入価格(新築)の場合、土地付きの注文住宅で約4000万円、建売住宅だと約3300万円が相場です。一方、トレーラーハウスの場合、数百万円で購入できるでしょう。

トレーラーハウスの活用法

住宅としてはもちろん、別荘・賃貸住宅・宿泊施設・事務所などさまざまな使い方ができます。とくに、店舗として使っている方が多く、具体的には美容室・エステ・ペットショップ・カフェ・託児所・保育園・薬局…など、さまざまです。

子ども部屋として使用している方もおり、子供が大きくなって独立してからは、不要になったトレーラーハウスの売却や移動も容易です。ですから、建築物として建てるよりも柔軟な活用ができるでしょう。

まとめ:トレーラーハウスに住むという選択

この記事では、トレーラーハウスのメリット・デメリットを紹介しました。戸建て住宅と比較すると、価格が安く手に入ることや自分の好みの場所に移動できることがメリットです。

しかし、トレーラーハウスを設置する際には、設置場所が限定されていることや運搬費用が高額になることがデメリットです。

トレーラーハウスを購入する際は、実績のある業者を選ぶことが大切です。初めて購入しようと考えている方は、相談やアフターフォローなど幅広く対応できる業者が安心できるでしょう。

トレーラーハウスは、住居としてだけでなく、さまざまな用途に活用ができます。これからの住居の事を考えている方は、トレーラーハウスを選択肢に加える価値は十分にあります。自分の好きな場所で、トレーラーハウスでしか味わえない生活を思う存分満喫してください。

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