皆さんは「コンテナハウス」をご存じですか?
「コンテナハウス」とは、貨物庫のような広い箱状の「コンテナ」を使った建築物を指します。その用途も住居からオフィス、カフェなど多岐に渡ります。
※「コンテナハウスの使用例」については、下記の記事で紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください!
今回は、そんな数あるコンテナハウスの中でも、比較的、手に届きやすい値段のものから、本格的なコンテナハウスまで価格帯別に紹介していきます。
コンテナハウスの全体価格
コンテナハウスは、一般的な住宅同様、建築物として扱われます。
そのため、コンテナハウス本体のほかに下記のような費用がかかります。
- 固定資産税
- 建築確認申請
- 住宅ローン
- 土地代
- 改築費用
固定資産税
コンテナハウスは、建築物として扱われるため、一般的な住居と同様に固定資産税もかかります。
建築物となる条件は次の3点です。
- 屋根・柱もしくは四方を囲む壁がある
- 土地に定着している
- 長期間人の出入りがある
コンテナハウスは上記に該当するため、固定資産税を支払う必要があります。
固定資産税の計算方法は、評価額(固定資産税台帳に記載)×1.4%です。
ただし、土地の広さや家屋によって課税金額が異なるため、詳しく知りたい方は納税通知書をご覧ください。
固定資産税は、毎年1月1日の時点で固定資産税の対象となる物件を所有している方が支払います。
毎年4~6月になると、納税通知書が届きますので、コンテナハウスが設置されている市区町村へ納付しましょう。
建築確認申請
これから立てる物件が法律違反していないか確認するために「建築確認申請」が必要です。
コンテナハウスの設置する場所や適切な基礎と接合がされているかなど、耐久性に問題がないかチェックされます。
建築確認申請は、コンテナハウスを建設する予定地の市区町村の窓口で行えます。
新築で建設する場合、都市計画または準都市計画地域外で200㎡以下の平屋であれば、建築確認が不要の場合もあります。しかし、地域によっては建設できないところもあるため、詳しくは市区町村に相談が必要です。
住宅ローン
コンテナハウスは、一般的な住居と同じで住宅ローンが使えます。
しかし、貸店舗やお店として使用する場合は、事業用となってしまうため注意が必要です。
また、ISO海洋輸送用コンテナを使用したコンテナハウスは、住宅ローンが使用できない場合があります。
申請すれば使用できる地域もありますが、ほとんどの場所では使えないと考えたほうが良いでしょう。
土地代
コンテナハウスの費用には、本体を建てる土地代もかかります。
一般的に、20フィートのコンテナハウスで約4.5坪、40フィートで9坪の広さです。
どのような土地に建てるかによって、費用は変わるため事前に調べておくことが必要になります。
改築費用
コンテナハウスの改築費用は、設備費用だけで約15~50万円が必要になります。
とくに、コンテナハウスでは、断熱リフォームが重要です。
改修時に断熱リフォームをしておけば、気密性が高くなり外気の影響をあまり感じず快適に過ごすことが可能です。
輸送費
コンテナハウスの輸送費は、コンテナハウスのサイズや設置する地域、土地の状況・運ぶ台数によって異なります。
また、移動距離が長くなるほど輸送費がかかります。
参考までにコンテナハウスを運ぶ費用は、20フィート(約4.5坪)で約5~18万かかり、4~10トントラックが必要です。40フィート(約9坪)になると、輸送にトレーラーが必要になります。
また、設置するためにクレーンやユニック車(トラックにクレーンが装備されている車両)を使用することもあります。
そのため設置する場所の広さだけでなく、設置場所の土地の状態や周囲の状況・輸送までの距離もあらかじめ調査しておきましょう。
内装費
コンテナハウスの内装費は、給排水設備や電気、断熱などがあります。
給排水設備の設置は、一般的に約50~100万円、電気設備の工事費は約180万、断熱対策は約50~100万円/坪かかると考えておくと良いでしょう。
給水設備は、土地の状態や排水状況によって大幅に予算が変わるので、事前調査が重要です。
コンテナハウスの本体価格
コンテナハウスの価格は、サイズによって異なります。
安いものなら、100万円くらいからありますが、設置費用は別途かかるため確認が必要です。
平均的な費用は、12フィート(約2.7坪)約100~200万、20フィート(約4.5坪)で約100~500万、40フィート(約9坪)で約200万~700万円です。
次の項目から、コンテナハウスの具体的な事例を価格ごとに分けて紹介しています。
100万円以下のコンテナハウス
ここでは、100万円以下のコンテナハウスを2つ紹介します。
①ジャコカン
最初に紹介するこちらのコンテナハウスは、物販用の店舗コンテナです。10ft(約3.5m)ほどの長さなので、フラワーショップやアクセサリーショップなどにマッチするでしょう。
また、お店の外にテラス席を用意することで、おしゃれなカフェとしても利用できそうですね。
外に透明の大きな窓が付いている為、住居として暮らすには向いていませんが、店舗としては、様々な使い方が想像できるでしょう!
面積 | 13.93㎡(4.21坪) |
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価格 | 900,000円~ |
②container park
画像引用元:containerpark
続いて紹介するのは、containerparkが販売するコンテナハウスです。
外観は黄色と黒の配色となっており、非常にインパクトがありますね。また、外装はデザインに加え、その素材にもこだわりが見られ、波付けされた薄鋼板製のパイプ「コルゲート鋼板」で仕上げられています。
出入り口として4枚引き違い戸が設置されており、窓も(開閉ができない)FIX窓が2か所と半外付窓が2ヵ所ついています。
さらに、照明もLEDスポットライトが6か所に設置できる作りですので、コンテナハウスをあまり日が差し込まない場所に設置しようと考えている方にとってはピッタリですね。
なお、オプションでキッチンユニット、トイレユニット、シャワーユニット、間仕切り、事務備品全般、床材などの商品を付けることも出来ます。
気になる方はぜひ、HPをご覧ください!
サイズ | 外寸;5.630m×2.300m×H2.700m 内寸;5.338m×2.206m×H2.378m |
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価格 | 950,000円~ |
200万円台のコンテナハウス
続いて、200万円台のコンテナハウスを2つ紹介します。
①エイコー林業「No.C0101」
画像引用元:エイコー林業株式会社
まず紹介するこちらのコンテナハウスはエイコー林業株式会社が手掛けたものになります。会社名から分かるように、木材に拘っており、こちらのコンテナハウスでは高級な国産無垢材が使用されています。
具体的には、日本のヒノキと杉が使用されており、清々しいヒノキの香りは、森林浴のリラックス効果とリフレッシュ効果をもたらします。
またヒノキには強壮作用と鎮静作用があり、心を落ち着けて前向きにしてくれるため、緊張の緩和やストレス緩和、日々の疲れの低減に効果があるともいわれています。
スギの「甘い豊かな芳香」は脳と自律神経に直接作用することから、こちらも鎮静・リラックス効果が見込めます。さらにスギは空気の浄化作用が高く、空気中の有害物質を吸着しやすい性質がある為、清潔な空間を保つこともできるでしょう。
上記の画像のように家具も木製で揃えるとより味が出そうですね!
価格 | 2,000,000円~ |
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②spacecreate「A3690」
画像引用元:spacecreate
続いて紹介するのは、SPACECREATEにて販売されているコンテナハウスです。
外観は柱がブラック、外装がパネル木目調ダークブラウン・屋根の軒先に取り付けられている板材を指す「鼻隠し」も4面取り付けられており、シックな見た目となっています。
また、出入口はウッドデッキ玄関の仕様となっており、玄関には照明が付いています。
大きさは7.5坪あるので、事務所や店舗、休憩室などいろいろな使い方が出来るでしょう!
面積 | 7.5坪(15畳) |
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サイズ | 寸法外寸;幅:5400mm × 奥行き:4600mm × 高さ:2600mm 室内寸法;幅:5250mm × 奥行き:4450mm × 高さ:2320mm |
価格 | 2,128,500円 (税込) |
300万円台のコンテナハウス
続いて、300万円台のコンテナハウスを2つ紹介します。
①エイコー林業「離れモデル」
画像引用元:エイコー林業株式会社
次にここで紹介するのは、上述のエイコー林業が手掛けた「離れモデル」のコンテナハウスです。
自宅とはまた少し異なる、落ち着いた雰囲気のちょっとした生活空間がある暮らしはあこがれますよね。
書斎や趣味としての部屋など「離れ」として、夢の自由空間を手にしてみてはいかがでしょうか?
②spacecreate「A4015」
画像引用元:spacecreate
続いて紹介するコンテナハウスは11.3坪の広さがある、3連棟の作りとなっています。
3つの棟から構成されるコンテナハウスですので、もちろん広さがありますが、加えて、頑丈な鉄骨フレームが採用されていることから、居住者の希望次第で2階に増築することもできます。
ライフプランに合わせて、居住空間を柔軟に変えられるのはうれしいですね!
面積 | 11.3坪(22.6畳) |
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サイズ | 寸法外寸;幅:6900mm×奥行き:5400mm×高さ:2500mm 室内寸法;幅:6750mm×奥行き:5250mm×高さ:2320mm |
価格 | 3,080,000円 (税込) |
400万円台のコンテナハウス
続いて、400万円台のコンテナハウスを2つ紹介します。
①エイコー林業「テラス・階段・ウッドデッキ付モデル」
次に紹介するのは、エイコー林業が手掛けた「テラス・階段・ウッドデッキ付モデル」のコンテナハウスです。
コンテナハウスは「ローコスト」「短工期」という点が特徴として、よく挙げられますが、それだけではありません。コンテナの強度と加工のしやすさに伴う「自由なカスタマイズ」も魅力の一つです。
その中で、こちらの階段を付け屋根をテラスにしたコンテナハウスも人気があります。「1階で注文しテラスに設置されている客席でコーヒーを飲む」スタイルのカフェとしても利用できるでしょう。
さらに、飲食店のスペース拡張のみならず、公園のドリンクコーナーなどアイデアの数だけ用途が広がるのも魅力的ですね!
②spacecreate「A3705」
次に紹介する400万円台のコンテナハウスは、SPACECREATEが手掛けた2階建てタイプの「A-space AC-8」です。
画像引用元:spacecreate
外装はフルブラックとなっており、シンプルながらもシャープでお洒落な印象を持ちますよね。
画像引用元:spacecreate
また、大きなFIX窓と玄関ウッドデッキがあることもポイント!さらに、クッションフロア・LED照明・コンセントも標準装備されています。
こちらのコンテナハウスは、2階建てとなっているため、事務所・休憩室・来客スペースなど様々な用途で1階と2階を使い分けることができるでしょう。
面積 | 7.5坪(15畳) |
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サイズ | 寸法外寸;幅:4600mm(+1250)×奥行き:5400mm×高さ:2600mm(各棟) 室内寸法;幅:4450 mm×奥行き:5250mm×高さ:2320mm(各棟) |
価格 | 4,393,400円 (税込) |
500万円台のコンテナハウス
次に500万円台のコンテナハウスを紹介します。
①エイコー林業「連結式モデル」
こちらのコンテナハウスは「エイコー林業」が手掛けた「連結式モデル」のコンテナハウスです。
画像引用元:エイコー林業株式会社
先述の通り、コンテナハウスはカスタマイズ性に富んでおり、こちらのタイプのように連結して施工することも出来ます。
画像引用元:エイコー林業株式会社
国産ヒノキをたくさん使用し、モダンにドレスアップされたこのコンテナハウスを広い敷地に点在して配置すれば、フードコートやグランピング・コテージなど魅力溢れるアミューズメント施設になること間違いなしでしょう。
画像引用元:エイコー林業株式会社
自分だけのコンテナハウスを500万円台で作ってみてはいかがでしょうか?
3000万円以上のコンテナハウス
最後に紹介するのは、3000万円を超えるコンテナハウスです。これまで紹介してきた、コンテナハウスを大幅に超える価格となりますが、「本格的なコンテナハウスを建てたい!」と考えている方は参考にしてみて下さい!
①CONTAINER WORKS IN YAMANAKAKO
最後に紹介するこちらのコンテナハウスは、CONTAINER WORKSが手掛けた山中湖にある宿泊施設です。
こちらのコンテナハウスでは「20ftコンテナを2台」と「1台の20ftコンテナを半分の高さに2個に分割したもの」が使用されています。
20ftコンテナの上に分割したコンテナを積み重ね、それぞれを梁で繋ぐことで、真ん中に空間を作り出しています。このように大きさの決まったコンテナを分割して使用する事で、コンテナハウスの自由度を増すことが出来ます。
さらに屋上には、ウッドデッキが設置されている為、周囲の山々を展望することも可能となっています。「大自然を感じながら、屋上のウッドデッキでBBQする」なんて、想像しただけで最高ですよね。
画像引用元:containerworks
内装はごつごつした鉄骨コンテナの重厚感も残しつつ、木材や植物など温かみのある素材を組み合わせる事で、お互いを引き立てる空間となっています。
画像引用元:containerworks
興味がある方は、山中湖に訪れた際、ぜひこちらの「CONTAINER WORKS IN YAMANAKAKO」に宿泊してみてはいかがでしょうか!
価格 | 35,000,000円 |
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コンテナハウスを価格で選ぶ際の注意点
中古のコンテナハウスを購入すれば、費用を抑えられますが、建築確認申請が通りにくくなります。
またISO海洋輸送用コンテナを使用したコンテナハウスは、日本で使用できる仕様にすると新築を建てるより高額になるため、避けたほうが良いでしょう。
価格をできるだけ下げたいならDIY
コンテナハウスの建築費用を下げるために「DIYをしてみたい」と考える方もいるでしょう。
壁紙の貼り替えや塗装などの内装ならDIYできるかもしれません。
ただし、水回りや電気系統は特別な知識が必要です。危険度が高い箇所やコンテナハウスそのものの耐久性に関わる箇所は、専門家に依頼するようにしましょう。
まとめ
ここまで、価格帯別にコンテナハウスを合計10選、紹介してきました。
この記事で、少しでも皆さんの中での「コンテナハウスの価格感と完成品のイメージ」が明確になったら嬉しいです!